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「東大→官僚→ハーバード」だからって、豊田真由子様とは違うだろ!<ハイスペック女子のため息> - 山口 真由

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1 周囲を気にして、勝手にストレス貯金する女たち


(写真:iStock.com/SIphotography)

こないだの朝、「あさチャン」から流れるままに「ビビット」を見ていたら、ダイアナ妃の死から20年を偲ぶニュースの後のテロップで、「豊田真由子議員 辞職」の文字が見えた(ような気がした)。出かけなきゃいけなかったので、最後まで見られなかったけど、豊田真由子先生ご本人が議員辞職されるとも聞かない。さては、豊田真由子議員の「秘書」辞職とか、そっち系?

「東大→官庁→ハーバード」というキーワードが共通という理由で、「豊田真由子議員についてどう思うか」という質問を受けることがある。私からすると、これほどお門違いの質問はない。豊田真由子様が抱える問題を、ハイスペ女子全体が抱える問題に帰納するって無理でしょ? どれほど怒ったとしても、人に暴力を振るうというのは違うって、私、そう思います!

国会議員になった丸山穂高君は、官僚時代の同期で普段はナイスガイだからこそ、居酒屋を出た後、口論になって相手の手を噛んだというニュースには驚いた。速水もこみちの弟さんなんか、車の幅寄せをめぐる口論から相手の肋骨を折ったらしい。こういうステレオタイプはNGなんだけど、怒りを暴力で表現するという発想は、どちらかというと男性的で、口達者なハイスペ女子からは縁遠いように思えた。

とかなんとか、ぐちぐち言ってたら、私も人を噛む(フリをした?!)ことが発覚。

前に妹と旅行に行って、朝起きてシャワー浴びて1杯、朝食を食べてお部屋に帰って1杯、プールから戻って1杯、そして夜には1本、2本と順調に杯を重ねたわけだが、次の日の朝、二日酔いで鈍る頭で目を覚ますと、妹がぷりぷりしている。

「ちょっと~、真由~、昨日の夜のこと、ほんとに覚えてないの?」

うーん? 私たちは、日本最大の獣害と呼ばれる「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」の話をしていたのだ。三毛別町という北海道の開拓村が、超巨大なヒグマに襲われて多くの死者を出したという痛ましい事件である。その後、バスルームに向かった私は、何を思ったか、突然、リビングに走り込み、

「クマやで~」

と「ガブっガブっ」言いながら、妹の腕をつかんだらしい。

なんなんだろう、私って不謹慎かつ不道徳。うん、最低……

ちょっと話があらぬ方向に向かってしまったが、そうそう、豊田真由子さんの話。

で、結局、暴力性向云々について、私もあまり厳しいことを言えなくなってしまったのだけど、ひとつ言えるのは、ハイスペ女子の多くは、周囲の視線を気にしてストレスを貯め込んでること、そして、そのため常にイライラしていること。ちょっと待って、一つじゃなくて二つ言っちゃったかも?!

2 にこにこしている上司でも、マグマのような怒りを溜めている

まず、ハイスペ女子の多くはイライラしている(と私は思う)。社会の何に対して怒っているのか、正確には表現できないが、とにかく私たちは終始ムカついている。

この間、仕事の待ち合わせに遅刻しそうで、麻布十番駅をつかつかと歩いていた。そしたら、そこら中人人人で通行規制。かつ、浴衣姿で華やいだ集団が、楽しそうにゆったりと歩いている。そっか、今日は麻布十番祭りか。と思うと、なんか無性にイライラするの。私は仕事に遅刻しそうなのに~~~(←遅刻しそうなのは、私のせいだけどね)。

で、家に帰って開口一番、妹にこう言った。

「ねー、あり得ないんだけど。なんで麻布十番祭りでさ、女の子が浴衣着るのはいいよ。で、カップルの男側まで浴衣着て、手つないで歩いてるわけ? ねぇ、私のイライラをどうしたらいいのよ」。

すると、妹も「そういうカップルに限って、着付けがだらしなかったりする~~~」。

と謎に怒りだした。イライラした者同士だと、八つ当たりをいさめるどころか、怒りが伝播してっちゃうのよね。

で、私の器の小ささは放っておいてもらうとして、働くハイスペ女性上司には、イライラしている人が多かった。

新人の頃、弁護士事務所の女性上司が夜のオフィスに戻ってきた。疲れているように見えたので、「お疲れですか?」と声をかけると、

「うん、くだらない飲み会が続いてね、昨日のとかひどかった」

はーっとため息をついた。

で、私の顔を見て「はっ」とした表情をし、私もそのときあっと思ったのだけど、だって、昨日の晩って私たち新人歓迎のディナーじゃない?!って。で、私は、そのとき、気まずいながらもちょっと同情したというか、なんか、この人は、あのディナーの間中も、エチケットを知らない新人相手にイライラしどうしで、そうやってストレスを溜めこんで、消耗してるんだろうなって思いました。

一見ニコニコしているように見える女性上司も、内心ではイライラの炎を燃やしていることが多い。別の弁護士事務所に勤める友人が、ナナコ先生という女性上司の話をしてくれた。ナナコ先生は、可愛らしい顔で、ぽっちゃりをかなり行き過ぎにしたような体型だった。

「先輩から一度、『ナナコ先生って、いっつも、あれキュロット履いてるの? それともスカート?』って聞かれて一生懸命に観察したんだけど、『両方の太ももの間がぴったりとくっつきすぎて、もはや肉眼では判別不能です』って言うしかなかったのよー」だって。

私も意地悪だけど、この友人の底意地の悪さにはさすがに引きました。人の容姿について、そこまで扱き下ろされると、同調できない。

でも友人にも友人で理由があった。にこにこナナコから鮮烈な八つ当たりの洗礼を受けていたのだ。彼女がまだ右も左も分からない新人弁護士のときに、待っていたエレベータのドアが開いた。中には、ナナコ先生と、これも巨体で知られた2人の男性弁護士が……。乗り込もうとしてぎょっとした友人は、思わず立ちすくむ。そこににっこり笑ったナナコ先生が、

「事務所の三巨頭~」と高らかに愛嬌を振りまくから、友人は思わずぷっと吹き出してしまった。だが、これがいけなかったらしい。

「あの子、なんなの? すごい失礼なんだけど!!! 少なくとも、私の仕事はさせないから、この先ずっとよ」と、甚だしくご不興を買ったらしい。

自分から言い出しといて、自分からキレるなんて、相当、イライラしていたんだろうねぇと友人と話し合った。

私が見る限り、エリートと呼ばれる女たちは、社会の軋轢(あつれき)にさらされるためか、細かいことまで気を遣いすぎるからか、イライラを溜める傾向にある。その体は、細かろうと太かろうと、マグマのような怒りが満ちている。そして、その怒りは発散される対象を、常時、探している。正当な怒りだろうと、八つ当たりだろうと、もはや知ったことじゃないのだ。

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