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中国による北朝鮮軍事圧力シナリオ~ビル・エモット

エコノミスト誌の元編集長ビル・エモット氏が「北朝鮮に対する軍事オプションの中では中国による軍事圧力・侵攻が最も悪くない選択肢だ」と書いていた。

タイトルはA 'China First' strategy for North Korea(Project Syndicateサイト)だ。

ビル・エモット氏は最後にThis senario may well never happen.(このシナリオはまず起きることはないだろう)と書いているので、北朝鮮問題を考える上での頭の体操的なものとして読むべき話だとは思うが興味深かったのでポイントを紹介しておこう。

  • 北朝鮮は核兵器削減の交換条件として安全保障を求めていると一般に考えられている。安全保障を与えることができるのは中国だけである。
  • アメリカが与える安全保障はその時の大統領限りで永続するとはいえない。
  • 中国が北朝鮮に対する安全保障を提示しながら、一方で軍事的圧力をかけた場合北朝鮮が屈服する可能性は高い。また金正恩とその側近を別とすれば一定範囲で朝鮮労働党の独裁が続く可能性が高い。
  • 北朝鮮が中国に屈服すれば、極東アジアにおいて中国は米国に対し軍事地政学的に優位に立ち、不安定材料が取り除かれるので、これは「中国ファースト」戦略である。

冒頭述べたようにこのシナリオが起きる可能性は極めて低いだろう。中国が北朝鮮を支配下に置こうとすると南北朝鮮に「中国による支配の歴史の悪夢」がよみがえり、どのような抵抗が起きるか分からない。また現段階で米国がこのシナリオを容認するとも考えにくい。

しかしこのシナリオを読んでみると次のようなことが見えてくる。

  • 米国単独の軍事的オプションの行使は、北朝鮮の韓国・日本に対する攻撃を招く可能性が高い。つまり北朝鮮が米国に弾道ミサイルを撃ち込むといった暴挙に出ない限り、米国の軍事的オプションの行使を正当化することは難しい。
  • トランプ大統領は中国に対して「危険な隣国に対して責任をとれ」と主張している。責任の取り方には、軍事的圧力をかけて金政権を転覆させることを含んでいる。

もし仮に中国の軍事オプションに正当性があると判断される時があれば、それは米国によるあらゆるオプションの可能性がなくなった場合かもしれない。

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