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本当に心配になってきた東芝

興味ない方には申し訳ありません。が、このようなドタバタは数年に一度しかないですし、実に検証価値があり、将来の日本の大企業の行方を占う上でもこんな素晴らしい題材はありません。本件が収まったころにはいくつかの顛末を書き綴った書籍が発行され、多くの方が手に取るのだろうと思います。が、顛末のようなまとめではなく、ドラマは今、展開しているのです。

今回の問題は、根はシャープの時に似ていますが、スケールが違います。そして、シャープは鴻海とのディール話に近い話でしたが、今回は何処に向かっているのかさっぱりわからない点でより強烈なのです。

東芝の銀行団が「8月31日までの契約は死守」と迫り、同日に開催された取締役会までは綱川社長はそのつもりだったようです。が、半日前にブルームバーグから東芝半導体事業にアップルが参戦し、ペインキャピタル側につく、と報じられたことで「ことは簡単ではない」と察しました。事実、取締役会では綱島社長派がウエスタンデジタルとの契約を推すのに対して半導体事業総括の成毛副社長派が猛反対し、役員会が分裂状態にあるようです。

つまり、今、東芝の経営判断で強い影響力があるのは社内の綱川社長派、成毛副社長派、更に邦銀団、経済産業省であり、これにオファーを入れるのがKKR/WD連合、日米韓連合 および鴻海/ソフトバンクという構図かと思います。

私は先週土曜日のブログで「私の大胆予想はKKR/WD組が条件付き売買契約(3月末までのクロージング)の勝利をおさめますが、東芝は上場を維持できず、結局、条件未達で売却出来ず、がシナリオになると思う」と記しています。「3月末までのクロージング条件付き売買」は突拍子もないアイディアだと思いますが、以前から指摘しているように今の時点で申請していなければ3月末までに各国の独禁法審査はまず終わらないはずです。特に中国は困難でKKR/WD組になった場合、韓国でも時間内には終わらないのではないでしょうか?

では、売却が終わらなければ東芝の上場廃止は確定か、といえばそんなこともなく、第三者割当増資でもいいし、デットイクティスワップでもつなぎの出資者がいてくれてもいいわけです。その上、東芝の2018年3月期の決算予想は会社発表の予想が経常利益4000億円に対して市場コンセンサスは7663億円になっています。2017年3月末債務超過が5500億円ですが、経常利益予想とこの債務超過の相殺とは別の話ですが、個人的には現状なら債務超過は3000億円台に収まる気がしています。

とすれば以前から主張しているように東芝としては何が何でも半導体部門を売却する必要性はますます遠のくということになります。何のために、誰のために半導体を売却するのか、といえば銀行のため、これにつきます。何故銀行は売却を迫るのか、といえば上場廃止になると貸付の資金の妥当性が問われるからでしょう。そのため、9月末に借り換えが迫る中、邦銀団からの「売らないなら貸さない」という脅しが入っているものと思われます。

東芝が本当に賢ければ売らない方法をプランBで検討すべきです。それは既存の半導体子会社を売却するスキームではなく、第三者割り当てを引き受けてくれるファンドを探すことでしょう。もちろん、それをすれば東芝は三途の川を渡ることになります。しかし、それこそ、孫正義氏あたりを口説けばこれぐらいの資金はちょろいはずです。何故これほどまとまらないかといえば関連者が多すぎることと売ることしか前提にないからであります。

話は変わりますが、東芝のライバル、サムスンがノート8を出しましたが、ものすごい評判となっています。あの電池の事件は何だったのか、と言えば「サムスンにとってかけがえのない失敗」だった可能性があります。トップは収監されたままではないか、と言われれば収監されているからこそ、韓国最高峰の頭脳集団が自分の意識で経営改善をしていると言えるのでしょう。もちろん、同社の決算も絶好調です。

つまり、この半導体事業は日本側が死守しなくてはいけない事業であり、アメリカでも韓国でも台湾でもない、日本がどれだけ汗をかいても維持しなくてはいけない生命線のはずです。それがたかが、上場が維持できないぐらいの目先のことしか考えられない銀行家の言うなりになっているのでは日本の大企業は全滅してしまいます。

私が本件をこれほど注視しているのは日本に陽はまた昇るのか、非常に懸念しているからなのです。半導体事業は日本がフルでコントロールできるよう、絶対に守らねばならないところだと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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