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テロに泣く旅行代理店「それでも成長だ」 日本人の海外旅行需要が回復傾向

野村証券 アナリスト 山村 淳子

昨年落ち込んだ日本人の海外旅行需要が、今年は回復傾向にある。

昨年落ち込んだ原因は、欧州で頻発したテロだ。2015年11月にパリで同時多発テロが発生し、昨年はベルギーのブリュッセル空港などでもテロが起きた。海外旅行の渡航先で人気のパリで起きたこと、さらに空港で発生したことも海外旅行客にネガティブな影響を与えている。

今年に入り、世界的にテロがなくなったわけではないが、海外旅行熱が高まっているようだ。日本の旅行代理店大手のエイチ・アイ・エス(HIS)では、2017年第2四半期で海外旅行取扱人数が前年比11%増。海外旅行取扱額では単月ベースで業界トップのJTBとほぼ並んだ。

欧州に関しては、ツアーの客単価が高いため、金額面での需要の戻りも大きい。さらにテロの不安があることで、HISなどが展開する航空チケットから宿泊、現地でのアテンドまでがセットになったパッケージツアーの人気が、シニア層を中心に戻りつつあるようだ。また、政府が推進する働き方改革などによって、各企業が社員に有休取得を励行するようになり、長期休暇がとりやすくなったことも追い風となっている。

楽天トラベルやDeNAトラベルなどネット系の旅行代理店の台頭は目覚ましいが、海外旅行においては現地に支店を持つ従来型の旅行代理店の需要も根強いとみる。

なかでもHISは66カ国に233拠点という世界的な海外ネットワークと、海外旅行事業については大きなアドバンテージを持っている。

HISは長崎のハウステンボスやロボットを活用した「変なホテル」など、パッケージツアーにおけるパーツなどを自社で運営し、トータルで収益を上げていく構造へと転換中でもある。旅行事業全体で2ケタ成長などは望みにくいだろうが、今後も堅調な成長を続けそうだ。

(野村証券 アナリスト 山村 淳子 構成=衣谷 康 撮影=宇佐美 利明)

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