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カメラ付きマネキンと個人情報保護法について

8月18日のNHK NEWS WEBは、『ニッポンのマネキンは、すごい。』と題して、ハイテク技術を盛り込んだ最新のマネキンを紹介した。

その中でも、紹介された京都のマネキンメーカーが「特に力を入れている」というのが、画像認識ができるマネキンである。NEWS WEBによると、「首の部分に、小型のカメラを内蔵。通常のマネキンと同じように店頭に立ちながら、目の前で商品を眺めた客のデータを収集するのです。年齢や性別、立ち止まった時間などを瞬時に分析できるため、人手をかけずに、販売戦略を練るためのデータを集めることが可能になる」とのことだ。

メーカーのホームページを見てみると、ちょうど喉仏のあたりにカメラが仕込まれている様子であるが、一見してカメラとは分からないだろう。そこで、これは一種の隠しカメラではないか、プライバシー上大丈夫なのかが問題になりうる。

この点につき、記事は「メーカーによると、撮影した映像は一切残らない仕組みになっている」とだけ述べている。これだけではよく分からないが、カメラが取得した画像は、システム上、揮発性のメモリに一時的に置かれ、性別や年代といった属性情報を判別し取得した後は、対象人物が画角を外れると同時に削除される(厳密には、削除されるというより、そもそも保存されないのかもしれない)ものとも推測される。もしそうであるとすれば、肖像権の侵害にはあたらないというべきだろう。

また、性別や年代、マネキンの前に何秒間滞留したか、といった情報は、本人のプライバシー情報にあたるだろうが、この程度の情報取得は受忍限度の範囲内であり、法的なプライバシー権の侵害とまではいえない。

さらに、個人情報保護法に照らしてみた場合、仮に筆者が推定するシステムであるとして、このような瞬間的な顔画像の取得に対して、個人情報保護法の適用があるのか、が問題となる。

この点は意見が分かれるところであるが、筆者としては、このような瞬間的な顔画像の取得については、個人情報保護法の適用はないと考える。いいかえれば、このような場合にまで、個人情報保護法の求める目的の通知や、苦情対応等を義務づける必要はない。

確かに、撮影されている方から見れば、撮られた画像は一瞬で消去されるのか、それとも保存されているのか、分からないし、そもそも画像が撮られているのか否かすら分からない。しかし他方、属性情報のみ取得して画像は一切保存しないシステムに個人情報保護法上の義務づけを行うべきだとすると、商品をレコメンドする自動販売機や、デジタルサイネージなど、将来性のある商品群が、軒並み窮屈なことになってしまうと危惧する。

「このマネキンは個人情報を一切取得していません」もしくは「取得した個人情報は直ちに消去されています」と表示させるべきだ、という意見もあり得るが、個人情報を取得していないのであれば、個人情報保護法に基づく義務づけは論理矛盾となる。また、この種の表示を義務づけしたら、数年後の商店街は、この種の表示だらけになってしまうが、それでもよいのだろうか。

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