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僕がジャーナリストになった原点の日、終戦記念日に改めて誓う

8月も終わりが近づいてきた。甲子園で高校球児たちが闘っている。今年は、僕の母校彦根東高校が甲子園に出場した。そして、悲願の甲子園初勝利を達成している。

あまり話していないことがある。実は、僕も野球少年だったのだ。しかも、野球をするだけでは飽き足らず、野球の物語を書いたこともある。僕の初作品は、野球小説だった。そんな僕だから、母校の勝利は本当に、本当にうれしかった。

さて、8月15日は72回目の終戦記念日であった。戦没者追悼式で天皇陛下は、平和の大切さを改めて強調した。昭和天皇の責任を深く深く感じ、政治的発言と批判されるのを覚悟したうえでの発言だった。

今上天皇や僕は、「あの戦争」を知る世代である。戦争が終わったとき、僕は11歳だった。それまでは、いずれ海軍に入って、お国のために立派に死ぬのだ、と思っていた。

ところがあの年の8月15日、日本が負けたと知った。希望が絶たれて絶望したのだ。あまりのショックに、僕は泣きに泣き、やがて疲れて寝てしまった。目が覚めると外が暗くなっていた。ところが、街が明るいのだ。灯火管制のため、夜はずっと真っ暗だった。それが、一日で変わってしまった。僕を支配していた絶望感は、その瞬間、解放感に変わった。

さらに驚いたことがある。新学期が始まり、学校に行ったときだ。いままでは、どの先生も、「天皇陛下万歳」「お国のために死ね」と言っていた。ところが、新学期に会ったとき、先生たちが口を揃えて、「あの戦争は間違いだった」言い出したのだ。

終戦後、東條英機ら政治家たちが、「戦犯」として捕らえられていった。多くが英雄と言われた人たちだった。僕はこの体験で、「大人が言うことは信用してはいけない」と刷り込まれたのだ。国は国民をだます。権力は信用できない--。僕は、今でも強く思っている。僕のジャーナリストとしての原点だ。

今の日本の状況も、非常に危ういと感じている。あの戦争を知っている世代として、何度でも言おう。戦争は絶対にしてはいけない。8月15日の追悼式を見ながら、僕はあらためて、未来永劫、少年たちが、野球で闘える夏であってほしいと願った。

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