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コンビニおでん商戦2017 大根・玉子・白滝強化につゆ飲みも


【「スープ代わりに飲める」つゆ自慢のセブン-イレブンおでん】


【1本の串に3つのたねが刺さったファミマの「屋台風おでん」】


【基本商品の玉子や大根にこだわったローソンのおでんだね】


【セブンの白滝は表面積を増やしつゆによく絡むように進化させた】

 残暑が厳しいこの時期、日中はまだ熱々の「おでん」を食べようという気分にはならないが、コンビニ各社では早くも種(たね)や味に改良を加えた自慢のおでんを揃えている。さて、今年のコンビニおでん商戦は、どのチェーンが有力なのか。コンビニジャーナリストの吉岡秀子さんがレポートする。

 * * *

 8月のお盆を過ぎると、急に活気づくのがコンビニのレジ横です。休憩気味だったおでん鍋に「新作だね」が続々と投入され、店員の「おでんいかがですかー」の声も大きくなってきます。

「朝晩の気温が下がり、体感温度の変化で温かい食べ物が恋しくなる8月下旬から9月初めが、販売の第1のピーク」といわれる“コンビニおでん”。今年のトレンドはどうなっているのでしょう。セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソン、大手3社に取材しました。

 コンビニおでんの今年のポイントを総括すると、(1)変わりだねよりも基本だねの強化(2)食べやすさの追求(3)つゆの進化の3点にまとめられるようです。

 おでんの基本商品って、何だかわかりますか? それは「大根」「玉子」「白滝」。

 おでん鉄板3兄弟といっても過言ではないほど圧倒的な人気ぶりで、おにぎり四天王「シャケ」「こんぶ」「梅」「辛子明太子」のように「ないと不満だ」という消費者が続出する売れ筋を、コンビニでは「基本商品」と呼ぶのです。のちに詳しくふれますが、基本商品のリニューアルは各社必ず手掛けていますので、要チェックです。

 次に「食べやすさ」への配慮は、串ものやちょっと小ぶりのたねが増えた点からわかります。これは、女性やシニア客が増えたという理由が大きいでしょう。

 そして、「つゆの進化」。これが最大のポイントです。近年、「糖質ダイエット」や「温活」ブームで食事やおやつ時に「スープを飲む」人が増えました。そこで、コンビニおでんのつゆに「スープがわりに飲み干せる」という新たなニーズが出てきたのです。

 今年は各社とも、だしが利いたすっきりとした風味のつゆに。コンビニおでんは、いよいよ「食べても飲んでもOK」になってきたと感じます。

 それでは各社のおでんのポイントを解説しましょう。

 大きく変わったと感じたのはファミマのおでん。最近、テレビCMで活躍する「ファミチキ先輩」の姿をよく見るようになりましたが、ファミマは今 、レジ横スペースを「ファミ横商店街」と命名し、総菜やおつまみなどのリニューアルに力を入れています。

 ですから、おでん鍋も新たに商店街の中の「おでん処」と位置付け、盛り上げているのが特徴。ねらいがわかりやすいので、興味をそそられます。

 味も変わりました。何といっても、つゆ。「今年は、こんぶだしにこだわった」と開発担当者が言っていたとおり、飲んでみると、こんぶのやさしい風味が際立つつゆになりました。旨みの強い真昆布を使い、製法等も見直したからだとか。さらに、地元の嗜好に合わせて全国7地区で味が違います。

 たねで気になったのは、1本の串に3つのたねが刺さった「屋台風おでん」です。

 ファミマと統合したサークルKサンクスの「ちび太のおでん」をほうふつさせる逸品で、ファンなら歓喜するのでは。9月19日からの発売ですが、中部地区限定は「こんにゃく・うずら巻き・焼ちくわ」、関東・北陸・東海・関西限定は「こんにゃく・豆腐揚げ・焼ちくわ」(いずれも135円)と、地域の好みに合わせてビミョーにたねの種類を変えるあたり、ファミマの本気度の高さが見えてきます。

 次に、すっかり「串おでん」を定着させ、独自路線を走っているのがローソン。

「ローソンのおでんは16時~23時の夕夜間の販売数が約6割と高く、揚げ物総菜やカット野菜、お酒などとの買い合わせが多いです」(ローソン広報担当者)

 ということは、ローソンのおでんは「おつまみ需要」が多いのでしょう。串ものを充実させているわけです。

 串の売れ筋は、新発売の「豚バラ串」(120円)や希少部位の「ぼんじり串」(100円)など。ほどよい脂がビールやハイボールと合いますから、なるほど、仕事終わりにゆっくり食べたい感じです。

 また基本商品では、専用の「ヨード卵・光 玉子」(93円)に注目しています。黄身が濃厚。全国9地区で味の違うつゆにたっぷりつけて、食べるのがおすすめです。ちなみに今年のつゆは、だしだけでなくしょうゆまで地域に合わせて変えているので、旅先や出張のときに確認したいと思っています。

 最後にセブンのおでんは、ひとことでいうと、最もマニアックに変わりました。

「今年は味しみとつゆがらみにこだわっています」(セブン広報担当者)

 味しみは、大根や玉子などをおいしくする手法で何となくわかりますが、「えーと、つゆがらみって何ですか?」と聞き返してしまいました。

 そもそもセブンのおでんは、数年前からつゆ自慢。“つゆだく”を推奨し、「スープ代わりに飲む作戦」を展開してきました。全国8地域で味を変え、かつおとこんぶのだしが利いた澄んだつゆに仕上がっています。

 今年はこんぶを低温でじっくり抽出して「旨み」を、かつお節は厚削りかつおの抽出時間を延ばして「香り」をアップさせました。

 実際に飲んでみると、だしスープのようなほっこり感。これを「からませる」のが基本商品の「つゆだく白滝」(75円)というわけです。

「複数本の白滝を1本にまとめる『スリット製法』をさらに進化させ、白滝の表面積を増やしました。そうすることで、つゆがよくからむようになりました」(広報担当者)

 うーむ、これがこだわりの「つゆがらみ」ということらしいですが、聞いただけではよくわかりませんでした。昨年の「白滝断面写真」を比べてみて、そうかなぁと。食べてみて、納得しました。つるっと喉ごしがよくなり、つゆが白滝にからんで、だしが強く感じられます。

 そのほか「味しみ大根」(80円)は、大根に入れる隠し包丁の「深さ」を深くし、つゆのしみ具合がアップしたのだとか。どこまでもマニアックなリニューアルです。

 と、書いているうちに熱くなってきてしまいましたが、コンビニおでんの進化は、やはり食べてみないとわかりません。

 気になるチェーンのおでんがあれば、ぜひ試してみてください。ただし、店に入れば店員がすぐにあいさつしてくれるなど、接客サービスが行き届いたお店を選んで買うのがおすすめ。コンビニおでんは店員のオペレーション力で味に若干差がでますから、心得ておいたほうが賢明ですよ。

※価格は全て税込み

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