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未婚のひとり親でも保育料軽減か 「一歩前進」「多様な家族のあり方」と歓迎の声

厚生労働省は、死別や離別によるひとり親だけでなく、未婚のひとり親の保育料も軽減することを決めた。8月22日に日経新聞が報じた。

夫婦が死別や離婚をした場合には、税法上の「寡婦控除」が適用されるため、所得税や住民税に基づいて算出される保育料が軽減されることになる。しかし未婚のひとり親はこれまで適用対象外だったため、結婚の有無により保育料に差が生じていた。同省の試算によると、今回の見直しにより、新たに約3000人が負担軽減の対象になるという。

ひとり親世帯は、生活保護受給率が高く、大学進学率が低い

ひとり親の負担軽減なるか……?
ひとり親の負担軽減なるか……?

厚生労働省が2015年に発表した「ひとり親家庭等の現状について」によると、1988年には母子世帯数が84.9万世帯で、父子世帯数は17.3万世帯だったのが、2011年にはそれぞれ123.8万世帯、22.3万世帯に増加している。

増加しつつあるひとり親世帯は、相対的に貧しい傾向にある。母子世帯の平均年間就労収入は181万円、父子世帯では360万円に留まる。生活保護受給率は、母子世帯で14.4%、父子世帯で8.0%と、全世帯の3.22%を上回っている。また母子世帯と父子世帯を合わせたひとり親世帯の子どもの大学進学率は23.9%にすぎず、全世帯の53.7%を大きく下回っている。

厚生労働省の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して、未婚のひとり親の保育料軽減は「試算をしただけで決定はしていない」と説明したが、実際に負担軽減が実施されれば、状況改善の一助になる可能性は高い。

報道を受け、ネット上には歓迎の声が相次いでいる。東京大学の本田由紀教授は「これはイイネ!てかもっと早くそうすべきだった」とツイート。NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長の赤石千衣子さんも「長年の活動で一歩前進」と今回の見直しを評価する。

未婚者が保育料軽減を受けられないのは「戦後すぐに生まれた制度の欠陥だった」

千葉市長の熊谷俊人氏は、ツイッターで

「千葉市等が実施してきた『みなし寡婦(夫)控除』をようやく政府が制度反映するとの報道。離婚・死別した一人親は控除や控除に伴う保育料軽減等を受けられるのに対し、未婚の場合のみ受けられないという、戦後すぐに生まれた制度の欠陥でした」

と投稿した。同市では、2010年4月から「寡婦控除」の「みなし適用」を行ってきた。保育料減免制度の説明には、

「保護者が未婚のシングルマザー、シングルファザーである場合、申請により地方税法に規定する寡婦または寡夫であるとみなして算定した場合に得られる課税額に基づき、保育料を再認定します」

とある。同市の担当者によると、「現職の熊谷俊人市長が母子家庭への支援をマニュフェストに掲げており、その一環として実施された」という。同様の取り組みは横浜市や福岡市でも実施されている。

また国際的にも婚外子への差別を廃止し、多様な家族のあり方を受け入れようという機運が盛り上がる中、NPO法人「フローレンス」の石川廉さんは「多様な家族の在り方が議論される中、ビッグなニュース」と投稿し、今回の動きを肯定的に捉えていた。

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