記事
  • ヒロ

なぜ働きたくないのか?

1/2
土曜日の日経の一面トップ記事はいつもとやや毛色の違う内容でした。「米労働市場に異変  働き盛り男性の参加率、主要国最低 薬物まん延、政権の課題に」であります。記事の内容は生産年齢人口よりやや狭い25歳から54歳の層の男性においてその労働参加率が1991年の93%台から88%台まで下がっており、その下げ幅が他の先進国に比べて突出しているというものであります。

この原因について日経は薬物(オピオイド中毒)のまん延が一つの原因ではないか、としています。ご記憶にある方もあると思いますが、2015年7月、トヨタの役員であったジェリーハンプ氏が薬物所持で逮捕されました。所持していたオキシコドンもオピオイドの一種であります。一種の鎮痛剤で陶酔作用もあることからストレスや現実逃避を求めるうちに過剰摂取となっているケースが多いようです。

確かにアメリカで突出する生産年齢人口の労働からの離脱は悩ましい問題ではあります。しかし、それがそのような鎮痛剤を摂取したことが労働市場からの離脱を促進したとするのは本質的原因ではないと思います。

同じ記事で日本の場合は労働参加率が91年の97%台から2016年には96%台に下がったものの極めて高い安定した水準を示していますが、ならば、日本の労働環境は整っているといえるのでしょうか?大いに議論があるところでしょう。

日本の労働参加率が高いのはもともと勤労意欲が高い国民性(神様が労働していた国です!)、相続税で何もかもみんな奪い取られてしまう制度上の問題(つまり楽ができない)、少子化で労働市場の需給関係がタイト(仕事は選ばなければいくらでもある)などの理由でありますが、必ずしも若い人が意気揚々と仕事をしているわけではありません。

会社側の高い要求に対して強いストレスを抱え、病気になる人、自殺する人が多いのはそこまでしてでも仕事を辞められないからでしょう。つまり仮に日本がアメリカと同じように「嫌な仕事はさっさと辞める」というスタイルであれば日本の労働参加率ははるか下まで行くはずです。

「なぜ働きたくないのか」は非常に大きいテーマだと思います。単に労働市場だけみても答えは出てこないでしょう。様々な複合要因だと思います。例えば「子は親の背中を見て育つ」とすれば親がかつての厳しい労働環境から解放され、残業もなく帰ってくる姿をみれば「仕事って学校に行くのと同じ楽しいところ」だと認識するかも知れません。あるいは学生時代のクラスメートが卒業して何年か経てば歴然とした差ができたことをSNSで見えてしまうこともあるでしょう。「俺とお前は同じ穴のムジナではなかったのか!」と。

あわせて読みたい

「労働」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ミヤネ屋インチキ医療特集に称賛

    中村ゆきつぐ

  2. 2

    定年後は蕎麦打ち職人になるな

    内藤忍

  3. 3

    海老蔵と麻耶 歌舞伎界の非常識

    NEWSポストセブン

  4. 4

    今度こそ北朝鮮の崩壊は秒読みか

    自由人

  5. 5

    豊田議員あと一歩で逃げ切り逃す

    文化通信特報版

  6. 6

    金正恩氏が米国への本音を吐露か

    高英起

  7. 7

    安室引退「体力の限界」が要因か

    渡邉裕二

  8. 8

    安倍首相の目的は権力の延命だけ

    小林よしのり

  9. 9

    「部落差別を語るな」は間違い

    SYNODOS

  10. 10

    老後の同窓会は成功者しか来ない

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。