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やる気感じられぬ安倍首相 広島、長崎挨拶でも力入らず

【スピーチは昨年の流用だらけだった(写真・時事通信フォト)】

 内閣支持率低迷や、読売新聞1面に〈首相「3選望まず」6割今の総裁任期まで〉という見出しが躍るなど、安倍晋三・首相の求心力が低下している。そうした中、「『ポスト安倍」レースでも一歩抜け出した』などと岸田文雄・自民党政調会長をこれまで“親安倍メディア”といった見られ方をされていた読売新聞や産経新聞が持ち上げだしている。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。

「読売や産経は主張の近い安倍政権中枢に食い込んで情報を得てきたが、当分続くと思われていた安倍政権に突然、終わりが見えてきた。次に反・安倍の石破(茂)政権ができると、これまでのように情報が入ってこなくなる可能性があるから、“岸田政権誕生”にも保険をかけておこうという計算でしょう。

 もっとも、肝心の岸田氏は約5年間の外相時代も重要な外交懸案に成果らしい成果を上げていない。日朝関係は拉致問題の解決どころか逆にミサイル危機が高まり、ロシアとの領土交渉も進展がない。評価する材料が乏しいから〈安定感は抜群〉(産経)など、抽象的な持ち上げ方しかできないのがわかる」

 そんな“後継者”がフレームアップされればされるほど、安倍首相が応援団メディアから“過去の人”扱いされつつある様子が鮮明になってくる。

 その安倍首相は内閣改造後、これまでとは人が変わったように自信と「やる気」が感じられなくなった。

 自ら「結果本位の仕事人内閣」と名づけた組閣人事が終わると、首相は広島(6日)と長崎(9日)で原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に臨んだ。

 広島でのあいさつの冒頭、「原爆死没者」を「原発」と読み違えたのを訂正したあと、こんなくだりが続いた。

〈真に「核兵器のない世界」を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要です。(中略)そのため、あの悲惨な体験の「記憶」を、世代や国境を越えて、人類が共有する「記憶」として継承していかなければなりません。昨年、オバマ大統領が現職の米国大統領として初めて……〉

 この挨拶文は長崎でもほぼ同じ内容。一字一句違わぬ部分ばかりの、いわゆる“コピペ”だった。しかも、祈念式典の挨拶文は毎年新たに書き換えられるはずが、今年は半分近くのワードが昨年の流用だったのである。

 官邸のスピーチライターも投げやりなら、そんな原稿を通した官邸幹部たちも、気にせずに読みあげた安倍首相も仕事に身が入っているとは思えない。原因は人事失敗の後遺症にあるという。自民党元役員が語る。

「改造人事では伊吹文明・元衆院議長らが入閣を固辞したと伝えられているが、そんなもんじゃない。総理が白羽の矢を立てた大臣候補に次々に断わられ、組閣本部ではA4判の紙に書かれた名前がどんどんバツで消され、1枚じゃ足りなかったという」

 内閣改造で心機一転どころか、泥船の安倍政権に「乗り込みたくない」という党内の本音を思い知らされて、いわば“思考停止”に陥っているとの見方である。

※週刊ポスト2017年9月1日号

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