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「輸入木材で国内林業が衰退」は過去の話に過ぎなかった

先日、京都府の山間部を車で走っていたときに、山の斜面の結構高いところで作業している重機が見えました。恐ろしげだなというのと、同時に大変なところにまで重機が入り込むことができるんだと少し驚いたのですが、場所から考えると、山を手入れしている感じでした。そういえば、輸入木材に押され、もう日本から林業が消えると言われて久しい割には、里山に向う国道沿いには、伐採した木材を大量に集積させた大きな施設を見かけます。

まだ国産木材にも残された需要があるのかという程度の認識でした。ところが重機のことが気になって、日本の林業がどうなっているのだろうかと「平成28年度 森林・林業白書」を目を通して見ると、実際には「国内林業の衰退」は、もはや過去の話で、林業の衰退には歯止めがかかり成長産業化に向けた動きが起こってきているというのです。
平成28年度 森林・林業白書 全文:林野庁 : 

驚きです。生産量も平成14年に底を打ち、以降はむしろ伸びてきています。しかも林業と言うと高齢化のイメージがあったのですがそれも違っていました。林業従事者は減ってきたとはいえ、実際には、65歳以上の従業者比率は、平成12年の30%をピークに平成22年には21%に減少し、逆に35歳未満の従事者比率は、平成2年の6%を底に伸び、平成22年ではなんと18%となっています。

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もちろん木材自給率も改善されたばかりか、なんと輸出も伸びてきているのです。中国の木材需要の増加、韓国におけるヒノキに対する人気の高まり、円安への推移などの影響とか。平成25年以降増加しており、平成28(2016)年の木材輸出額は、前年比4%増の238億円を記録しています。

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日本の林業に変化が起こってきているのです。

鍵はどうも集約化が進んできたことのようです。集約化が進み、重機などの導入や、伐採した木材の移動方法など、現場の機械化が促進され省力化が進んだこと、さらにサプライチェーンの効率化が進んできたことが、価格競争力を高めてきたのでしょう。つまり林業が産業化して姿を変えてきているということだと思います。

林業の産業構造が変わったということですが、農業や畜産も、農地の集積・集約化と構造改革を進めることで、生産性の向上やひいては国際競争力を持つことも可能になってきます。農村の高齢化、過疎化も、見方を変えれば、農地の集積・集約化の動きにつながってきそうです。

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