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2020年の角界予測 やくみつる氏は「照強」をプッシュ

【やく氏は翔猿にも期待を寄せる(写真:時事通信フォト)】

 全盛期の力を失ったら、あとは土俵を去るだけ―ガチンコ力士たちが幕内上位に顔を揃え、角界の“実力主義”はどんどん厳しくなっている。では、名古屋場所後に横綱・白鵬が目標に掲げた「東京五輪での土俵入り」の頃には、どんな面々が土俵上で躍動しているのか。

「白鵬にはさっさと引退してもらいたいし、稀勢の里もケガがどこまで尾を引くかわからない。だから3年後の横綱は空位という予想にしました」

 そう語るのは漫画家のやくみつる氏である。つまりやってくるのは群雄割拠の時代だ。

「高安は大関に残っているでしょうが、横綱に最も近い大関は阿武咲じゃないかと思う。阿武咲はとにかくポジティブでよく攻めるのがいい。しかも、ジュニア時代には白鵬杯(小中学生の相撲大会)で注目を浴びた経歴もある。その阿武咲が白鵬に引導を渡すというのが、ドラマがあっていいんじゃないか。あとは張出大関に北勝富士と貴景勝。貴景勝は上背がないのにとにかく前に出る姿勢がやはりいい」(やく氏)

 名古屋場所で幕下全勝優勝、9月場所での新十両昇進を決めた矢後にも熱い視線が集まる。矢後は横綱・大乃国(現・芝田山親方)と同じ北海道芽室町の生まれで中央大出身。昨年のアマ横綱で5月場所に幕下付け出しで初土俵を踏んだ。

 所要2場所での関取昇進は史上12人目の最速タイ記録。十両昇進会見では師匠の尾車親方(元大関・琴風)から、「この世界に入ってほんの2場所。まだヤゴじゃないか。トンボになって羽ばたいたら四股名を改名しよう」といわれた期待の星だ。

「未知数だけど今後、台風の目になることは間違いない。迷わず一直線の押し相撲を目指すと言っているところが素晴らしい。他の学生力士を一気に追い抜く可能性もありますよ」

 そう話す作家の高橋三千綱氏は、貴乃花部屋の20歳の双子力士にも注目する。先に十両入りを果たした弟の貴源治ではなく、兄の貴公俊を3年後の関脇に“抜擢”している。

「将来的には弟よりも兄。立ち合いからの速攻に魅力を感じる。前へ出ながらの投げあり、外掛けありと躍動感のある取り口で、北の富士(元横綱)のような力士になると見ています。3年後は無理にせよ、いずれ綱を狙える兄弟だと思いますよ」(高橋氏)

 中入り後の土俵を宇良や石浦が沸かす一方で、十両では168cm、115kgの照強が輝きを見せている。

「私にいわせれば石浦より照強の方が活躍していると思う。翔猿を含めて小兵が上位陣を攪乱していると場所が楽しいと思うんですよ」(やく氏)

 そうした若手の成長が予想されるなかで、ベテランは消えていくのみなのか。やく氏は

「3年後も残っていてほしい力士でいえば(35歳小結の)嘉風。38歳で幕内上位にいれば、希代の名力士と呼んでいいでしょう」と力を込めた。

 激変の3年間がやってきて、大相撲は確実にもっともっと面白くなる。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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