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働き方改革真最中の電通が今年最高益の見込み。改革のおかげ?


写真:アフロ

 広告代理店最大手の電通は、新入社員の過労自殺事件を受け、働き方改革を進めている最中です。人員の増員なども行っており、業績的にはマイナスの影響が大きいはずですが、どういうわけか電通の業績は好調です。電通の業績はなぜ拡大しているのでしょうか。

 電通の2017年12月期(通期)における業績見通しは、収益が前年比11.3%増の9330億円、当期利益は前年比4.0%増の868億円と最高益を見込んでいます(2015年12月期は9カ月の変則決算なので単純比較はできません)。

 同社は新入社員の過労自殺事件をきっかけに業務の見直しを進めており、7月27日には労働環境改革の基本計画をまとめました。基本計画では2019年までに総労働時間を2割削減するとしており、増員やIT投資などの施策を開始しています。これらの多くはコスト増加要因ですから、本来であれば業績が低迷していてもおかしくありません。

 では働き方改革の成果が業績に結びついたのかというとそうでもないようです。業績が拡大しているのは、海外部門が好調に推移しているからです。同社は2013年に約4000億円を投じて英イージス社を買収するなど積極的な海外M&Aを進めています。

 同社の2016年度の国内事業の収益は約4200億円でしたが、海外事業も約4300億円と、国内とほぼ同水準の収益があります。今期も引き続き好調で、海外事業から得られた半期の売上総利益は前年同期比26%増の2344億円でした。一方、国内事業の売上総利益は前年同期比1.2%減、営業利益も9.2%減と低迷しています。

 世界経済は当面の間、堅調に推移する可能性が高いですから、電通の業績も、海外部門が牽引する形でしばらくは拡大が続くでしょう。海外事業が好調なうちに、国内の業務のあり方を見直し、働き方改革を実現しようというのが当面の戦略と考えられます。

 しかしながら、アウトプットを減らさずに総労働時間を2割削減することはそう容易なことではありません。電通の取り組みがどれだけ本気なのか、多くの人が注目しているわけですが果たして目標は達成できるのでしょうか。

(The Capital Tribune Japan)

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