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仕事への姿勢と働き方変革 その2

江崎鉄麿 沖縄北方担当大臣の失言が話題となりました。マスコミは大喜びでしょう。大臣のインタビューを聞いていましたがこの方は基本的に喋り方が下手です。ぼくとつでよく言えばよい人、悪く言えば田舎のおっさんです。だから根が正直なんでしょう。「重荷」「素人」「意気込みない」は逆立ちしても発言してはいけない言葉です。仮にこの方が企業の入社試験を受けるならどこも採用しないでしょう。

では大臣になるような方がなぜ、あのような発言をしたか、といえば私は「極度の謙遜」したつもりなのだろうと思います。謙虚と謙遜は違います。平たく言えば謙虚は自分の力をそのまま表現することで謙遜は自分の力を低く見積もることです。長く海外にいるので日本の謙遜な振る舞いには違和感を感じてしまいます。

例えば日本で「お世話になったのでほんのお礼に」とお菓子を差し出されたとします。「そんなとんでもない」と一旦、押し返します。これは謙虚な姿勢の一つです。そのあと、「ではせっかくなので」と貰うことなり、これが日本の「低い姿勢」のあり方で良き振る舞いであります。海外では貰うべきお礼が妥当な範囲であれば、「ありがとう」と素直に頂きます。それだけ自分を評価してくれたという気持ちの表れなんですね。

同様に褒められた時も内心嬉しいのですが、「いやいや、とんでもない」というはずです。あれも素直にありがとうございます、といえばいいと思うのですが。

さて、江崎大臣の「素人で重荷」というのはある意味、本音です。これから未知の世界の勉強をしなくてはならないと思うとぞっとする思いのはずです。何故でしょうか?この大臣の職務を「やらされている」からです。勘弁してよ、ということでしょう。しかし、政治家業というビジネスを長年されているのに政治家の役員ポストである大臣になりたくないという人は珍しいでしょう。

日経ビジネスで複数回にわたって特集を組んだ「働き方改革」。その最終回で興味深いデータが掲載されています。日本で「熱意ある社員は6%のみ」でその順位は調査国139のうち132番目というあり得ないほど低い評価にとどまっていると紹介されているのです。ちなみに熱意ある社員の世界平均は15%でアメリカは32%です。一方、不満をまき散らす無気力社員は日本が24%、シンガポールの8%や中国の19%と比べても如何に「やらされ感」が強いか見てとれます。

では、なぜ、日本の社員はこれほど低評価となったのでしょうか?

私の考えは日本的小集団体制の仕事の進め方があだとなっているとみています。アメーバ経営など少人数のグループによる仕事の進め方は日本的であり、70-90年代までに大いにその力を発揮したと思います。そこには長所、短所があるのですが、長所が短所を勝っていたというのが過去です。そして、いま、それが社会環境の変化と共に逆転している可能性を指摘したいと思います。

少人数チーム制は日本の集落に於ける農耕作業を起源としています。社内の机の配置(島と言います)に代表されるように5-10人程度のグループはリーダーの目が届き、もっともまとまりがよいのですが、最大の欠点は能力が10人の平均点化(50点かもしれないし60点かもしれません。)することであります。これは1億総中流を目指していた時代の「底上げ」には極めて有効です。あるいは江戸時代の寺小屋も底上げでした。

ところが現代社会は能力偏差が飛び出したような極めて優れた才能の持ち主が全体への影響を与えるほどのインパクトを生むようになりました。つまり、皆で分かち合うというスタイルからできる人間が全体を引っ張り上げるスタイルに変化しています。これには異論もあるはずですが、どの世界をみても「みんなで仲良く」ではなくなってきています。(スポーツの世界をみたらお分かりいただけるでしょう。)

この発想が格差を生む可能性は否定できません。その代り、いじめを止め、適材適所に配置することは可能になります。

格差って何でしょうか?金持ちになることだとすれば全員が全員、金持ちになりたいと思っているわけではありません。人の価値観は100人100様です。なのに、金銭的セグメントで個人の効用や満足度、価値観を無視して何倍の所得格差があるとマスコミが偏重報道をするのです。

働き方改革とはひとり一人が自分の生き方を見出し、それを社会生活の中になじませることが基本です。かつてのように皆、同じ生活をしたいという時代ではないのです。

具体的な働き方改革としては「会議なんてやめてしまえ」と一例だけ申し上げておきます。1か月間、会議なしで会社が廻るか、やってみてください。なにも弊害はないはずです。なぜか、といえば結局、知恵を絞る人間は決まっていてその人たちが会社を引っ張り上げるようになるからです。会議がない会社生活は暇でしょうがないですよ、早く帰れると思います。

二回にわたってお届けした働き方改革ですが、私は結局のところ雇う側が変わる以上に雇われる側の意識改革が重要だと思っています。変わりたい、成長したいという第一歩を踏み出す勇気こそその改革の原動力となるのではないでしょうか?

では、今日はこのぐらいで。

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