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日本の旗色を鮮明にした小野寺五典防衛相発言

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 さて、小野寺五典防衛相は10日の衆院安全保障委員会で、北朝鮮が米領グアムを狙って弾道ミサイルを撃った場合、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に認定し、自衛隊のイージス艦が迎撃することは法的に可能だとの認識を示しました。

 「武力行使の新3要件に合致すれば対応できる」と述べたのです。

 小野寺氏は、自衛隊は「たて」つまり守りに徹し、米軍が「ほこ」打撃力を行使する日米同盟の役割分担があり、「双方の役割があって日本の抑止力が高まる。米側の抑止力・打撃力が(攻撃を受けて)欠如することは、日本の存立の危機に当たる可能性がないとはいえない」と説明しています。

 つまり、北朝鮮がグアムの「包囲射撃」を強行した場合、自衛隊は「存立危機事態」の設定が可能となり、集団的自衛権により迎撃可能であるとの判断であります。

 これは日本政府の従来の見解からは大きく踏み込んだ発言と申していいでしょう、すくなくとも過去において「存立危機事態」で米グアムへの敵国からのミサイル攻撃は一切議論には出ていませんでした。

 この発言はしかし国内外で波紋を広げています、そして大きく2つの問題を提起しております、法的問題、軍事技術的問題です。

 ひとつは法的問題です、そもそもグアム近海はぎりぎり公海であり北朝鮮が言葉どおりミサイルを発射したとしても、国際法上違法とは言えず、すなわち、米国が攻撃されて個別的自衛権を発動するという前提は今回成り立たないだろうという指摘です。

 すなわち、下記の朝日新聞記事も指摘していますが、このような状態で「存立危機事態」を設定するのは法の拡大解釈であるとの批判です。

(朝日新聞記事)

「存立危機」拡大解釈懸念も 小野寺防衛相、異例の言及

http://digital.asahi.com/articles/DA3S13082208.html?rm=150

 もうひとつは軍事技術的問題です。

 そもそも日本の現有する防衛力では、今回の北朝鮮のグアムへのミサイル4発発射攻撃を迎撃することは不可能に近い、という指摘です。

 これは正論です。

 万一のミサイルの日本落下に備え、中国・四国や九州地方に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開するのは必要な措置であります。

 しかしながら問題は、イージス艦の迎撃ミサイル(SM3)を含め自衛隊の現有装備では、グアムへ飛んでいく4発の弾道ミサイルを迎撃するのはほぼ不可能であることです。

 ・・・

 さて、上記のような指摘が朝日新聞や国内の一部評論で起きていますが、当ブログは、この小野寺五典防衛相の発言を肯定的に評価したいです。

 北朝鮮がグアムという具体的ターゲットを明確にしここまで過激にエスカレートしてアメリカを軍事挑発してしまった以上、この局面で日本は部外者として傍観することはもはや許されないことでしょう。

 アメリカの同盟国として、そして北朝鮮のミサイル攻撃のターゲット国として、「日本もグアムを守る」意思の表明、日本の旗色を鮮明にすること、このことの国際的政治的意味合いは大きいでしょう。

 現状でグアム防衛に関して日本にできる軍事的オプションは限られているかも知れませんが、国家の意思として、日本はアメリカとともに北朝鮮の横暴を許さないと、はっきり意思表示したわけです。

 国家の強い意志を表明するのに、国内向けの厳密な法的な前提条件が全て満たされていることを待つ必要はありません。

 行動する前に意思を表明した、この英断を評価します。

 このニュースは、アメリカのメディアでも、さっそくFOXニュースなどで大きく取り上げられています。

 "Japan ready to protect Guam, defense minister says"つまり、「日本はグアムを守る準備が出来ていると防衛大臣表明」と大きく報道されています。

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