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「ビールと唐揚げ」で太らない? 医師が勧める衝撃の減量法

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──食べる順番も大事だとか。肉や魚、野菜を食べて最後に糖質を摂る「カーボラスト」を心掛ければいいと説かれていますが、ご飯と一緒におかずを食べないと満足できない人も多い。

山田:たんぱく質や脂質、食物繊維などはそれぞれ血糖値を上げにくくする成分をお腹から出させているので、しっかり食べて最後に糖質を摂取すれば、同じ糖質量でもカーボファーストで食べたときより血糖値が上がりにくくなります。また、糖質にいく前に満腹になれば摂取量も減っていきますしね。

 そういった意味では、例えば和食の懐石料理は理にかなっていますし、由緒正しい蕎麦屋でお酒を飲みながらつまみをしばらく食べ、最後に蕎麦をすするのもロカボ的には正しい食べ方なんですね。

 ご飯と一緒におかずを食べないと満足できない人というのは、おかずの味付けの塩分が濃い方です。おかず単品で食べるためには、減塩と加油を意識する必要があります。

──お酒といえば、糖質が多く含まれてダイエットの妨げになると思われてきたビールについても、先生は飲んでいいと説かれていることに驚きました。

山田:小麦が原料のビールは、これまで血糖値が上がりやすいお酒を考えられてきましたが、最近その常識が崩れつつあります。

 文部科学省が発行している『七訂日本食品標準成分表』(2015年版)を見ると、今でもビールの欄には100mlあたり約3.1gの炭水化物が含まれていると書かれています。つまり、350mlの缶ビールには約10gの糖質が入っているとされてきました。

 しかし、正確にいうと糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、これが血糖値を上げる成分だと考えられています。その中には血糖値に影響を与えない有機酸や糖アルコールも入っています。そういったものを除外し、ブドウ糖や果糖、ショ糖など血糖値を上げる糖類だけを「利用可能炭水化物(単糖当量)」として細かく測定する動きが進んでいます。

 そこで、改めてビールの栄養成分を検出してみると、利用可能炭水化物をほとんど含まないことが分かりました。前出の成分表にも「微量」と書かれています。つまり、ビールは血糖値を上げないお酒だという認識になったのです。

──ビールをたくさん飲んでも太らないということですか?

山田:ビールの中には黒ビールのように糖類が多く含まれる種類もあるので一概には言えませんが、基本的には他のたんぱく質や油が豊富な食べ物と一緒に飲めば高血糖になりにくいといえます。血糖値を上げなければダイエットにも繋がります。

 だから、この季節ビアガーデンに行ったら、ジョッキビールを片手に、枝豆と唐揚げを思う存分味わってほしいと思います。焼肉に行ってお酒を飲みながら次々と肉や野菜を食べ、最後に特上カルビでシメてもまったく問題ありませんよ(笑い)。

──それはダイエット中の人には心強いお言葉です。飲み物という括りでは、近年、野菜でつくるスムージーはヘルシーで流行っていますが、先生はあまり勧めていませんね。

山田:それも原理は一緒です。野菜を摂りにくい生活パターンの方がプラスアルファとして野菜だけのスムージーを飲むのは構いませんが、それだけで朝食を済ませようとするのは問題です。野菜スムージーで得られるのはビタミンや一部のミネラルだけなので、同時にたんぱく質や脂質を摂らないと骨や筋肉がつくられませんし、昼食後や夕食後の血糖上昇を抑制しにくくなってしまいます。

 もっと大きな問題は、スムージーをより飲みやすくするために糖質の多い果物やハチミツなどを隠し味で入れてしまうことです。これでは糖質量が上がり、かえって太ってしまいます。

──先生の著書の中でも、ロカボでもっとも注意すべきは果物で、「スナック菓子に等しい」と書いてあり衝撃を受けました。

山田:果物に含まれる果糖は直接的には血糖値を上げませんが、体内で中性脂肪に変化して内臓にくっつき、脂肪肝などを引き起こしやすくなります。最近は果物だけでなく、フルーツトマトのように甘みを増した品種改良の野菜が出るなど糖質の多いものが増えているので、そちらにも注意が必要です。

 よく「朝の果物は金」などといわれ、健康やダイエットのために朝食は果物だけしか食べない人もいますが、それは決してよくありません。太りやすいかどうかだけで見れば、果物は米や砂糖よりも危険です。果物を食べるときは量を控えたり、間食として食べたりすることをお勧めします。朝食にバナナを1本食べるならば、やはりベーコンエッグなどたんぱく質や脂質と一緒に食べるのが望ましいでしょうね。

──先生が監修した低糖質食品の開発や、1日の糖質量を抑えたロカボメニューを取り入れる外食店舗も増えていると聞きます。はじめから低糖質メニューと謡っていれば、消費者にも分かりやすいですよね。

山田:そうですね。最近は糖質の少ないパンがコンビニエンスストアやスーパーマーケットで売られていますし、外食店でも米の糖質をオフしたオムライスや、注文すれば糖質を半分にした麺に変えてくれるラーメン屋さんやうどん屋さんなどもあります。

 ロカボは「糖質を抑えていても美味しい料理をお腹いっぱいに食べられる」ことが基本です。そうした無理のない食生活を続ける中で、体重の減量効果が得られれば、ずっと継続したくなるでしょうし、太りにくい体も自然と維持できるようになりますよ。

●やまだ・さとる/1970年生まれ。北里研究所病院・糖尿病センター長。日々の糖尿病治療においてQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を追求していく過程で糖質制限食に出会う。2012年『奇跡の美食レストラン』(幻冬舎)を刊行、2013年に緩やかな糖質制限食=ロカボの考え方を普及させ、一般社団法人「食・楽・健康協会」も立ち上げる。

■撮影/山崎力夫(山田医師)

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