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安倍首相参拝めぐる訴訟で原告側「戦争の準備行為」

【再び靖国を参拝する日は?】

 靖国神社元ナンバー3(禰宜)の宮澤佳廣氏が上梓した告白本『靖国神社が消える日』(小学館)。「靖国神社を宗教法人でなくし、国家護持に戻すべきだ」といった主張が議論を呼んでいるが、その一方で同書には、これまで知られてこなかった靖国神社をめぐる秘史が書かれている。著者の宮澤氏が、安倍首相参拝にまつわるエピソードを語る。

 * * *
 平成25年12月26日に靖国神社に参拝した安倍首相は、到着殿の一室で「内閣総理大臣 安倍晋三」と記帳し、鎮霊社に拝礼したあと、本殿に進んで二礼二拍手一礼の方式で拝礼しました。本殿の入り口には「内閣総理大臣 安倍晋三」の札が掛けられた花が供えられ、私費で献花料として10万円が支払われました。

 やや事務的な表現で当日の流れを振り返りましたが、現時点で公にされている事実はこれだけです。だから、これ以上の詳細な内容には触れることができません。なぜなら、この安倍首相の参拝について訴訟が起こされ、今も係争中だからです。

 この訴訟を起こした人たち(原告)の主張には、それこそデフォルメされた「靖国像」が見事なまでに描き出されています。彼らの眼には、安倍首相の参拝が「靖国神社という戦前の全体主義的な政治的象徴を承認、称揚、鼓舞するという行為」に映るのでしょう。

 どうやら、この参拝が「靖国神社の有していた戦前の軍国主義的支柱としての役割を現在において積極的に活用しようという意図」のもとで行われた「戦争の準備行為」で、新聞報道等でそのことを十分に認識していた靖国神社が参拝を受け入れたのも同様に、「戦争の準備行為」だと感じたようです。

 そこで彼らは、両者の行為によって自分たちの「平和的生存権を侵害された」と訴えているのです。あの日、多くの国民がニュース報道で目にした安倍首相の参拝の光景の一部始終が、戦争の準備をするための行為であったということなのです。

 さすがに、こうした突拍子もない主張が裁判所で認められるはずはありません。東京と大阪の裁判所で原告らは敗訴しているのですが、彼らは執拗に上級審での審理を求めています。

※宮澤佳廣氏・著/『靖国神社が消える日』より

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