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内閣委員会「渋谷区の無理な追い出しはオリンピックアジェンダ21に反するのでは?」

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0511ー内閣WEB

○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表して質問いたします。

昨年の十月、本委員会で私が質問いたしました、オリンピック開催に向けて明治公園の野宿者が東京都により強制追い出しをされたことについて、その後進展がありました。

その前にざっくりこの経緯を。国立競技場周辺にある都立明治公園、ここは古くから野宿生活者の方々が命をつないできた場所でした。オリンピック開催決定後、日体協・JOC新会館が、二〇一七年夏着工予定で、高さ六十メートル、地上十四階の超高層ビルの建設用地として利用するため、野宿生活者四名が強制排除されました。

JSCはこれまでも当事者たちと交渉をしたと言いますが、当事者に言わせれば、新国立競技場の新たな公募以降はまともな話合いにも応じず、話があったとしてもいつも追い出しありきだったと言います。結果、強制的に排除されてしまった人々。事実上選挙権さえも持たない者たちに対しては、その存在さえも無視する非情な政治がこの国には存在するような気もします。

しかし、世界は違います。中でもオリンピックの開催地として選ばれた都市の数々は、路上に住まう方々にも路上の権利を付与するなど、オリンピックアジェンダ21にある、社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払うという精神を着実に実現する動きがあります。

以前、丸川大臣に対して、当事者との話合いの場を設けていただきたいとお願いしたのが昨年の十月の質疑でした。追い出しありきでさっぱり野宿者に対して寄り添うつもりもなさそうな東京都が、質疑の翌月、野宿者の下に出向き、代替地の提案をしてくれたんですね。明治公園から別の公園に移り住むという提案を東京都の方からしていただいた。これ、丸川大臣はお認めになることはないと思うんですけれども、私、丸川大臣の御尽力じゃないかな、そのおかげじゃないかなというふうに思っています。心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

オリンピック開催の主体はJOCと東京都ですけれども、そのバックアップを国が全力で行うと、政府側のオリンピックの顔としてオリンピックの担当大臣がいらっしゃるのだと思います。これからもオリンピックの精神にのっとって、誰一人取り残されることのない社会の実現に向けての意気込み、丸川大臣ございましたら、是非お願いします。
 
○国務大臣(丸川珠代君) オリンピック・パラリンピックは、単なる一過性のスポーツイベントではなくて、社会的な意義をもたらすものであるという認識で取り組んでおります。とりわけ二〇二〇年大会は、パラリンピックの夏季の大会を史上初めて二回東京が行うわけでございまして、そうした意味からも、様々な違いを乗り越えて共に尊厳を持ち、人権を大切にし合う共生社会の実現に向けてこれからもしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
 
○山本太郎君 ありがとうございます。共生社会に向けてしっかりと取り組んでいっていただけると。

野宿者、ホームレスに関してお話をする際に、さっさと福祉につなげればいい、自立できるようにするべきだという声が必ずと言っていいほど聞こえてくるんですね。先日の本委員会での政府答弁で、住む場所を提供し、一日三食付くんだという答弁があった際にも、だったらいいじゃないか、公園にこだわらずにそっちに行けよといったような空気がこの委員会室にも少なからず流れたんじゃないかなという記憶があります。

公園などの野宿生活を送る以前に、行政が提案する福祉につながった結果、心をえぐられるような体験をされた方々、実際に多くいらっしゃいます。例えば、ここ数年社会問題化している無料低額宿泊所、簡単に言うと、住む家のない生活困窮者に一時的に安価に利用できる部屋を提供する事業者を指すと。無料低額宿泊所、これ届出だけでできてしまう。誰でも簡単に無料低額宿泊所を開けてしまうというような部分がございます。届出をしている人たちだけでも五百三十七か所の宿泊所、これに類する法的位置付けのない施設は千二百三十六か所と、先日政府側に聞いたときにそのような答えもありましたけれども、その存在はそれ以上とも言われている。

近年、様々な事業者が参入してきて、ここを舞台に貧困ビジネスが横行しているのは皆さんの御存じのとおりです。手口としては、暖かい部屋、毎日の食事ありますよ、ホームレスを始めとする社会的、経済的に弱い立場の方々に生活保護を受けさせ、保護費を徴収する。その徴収している内訳は、家賃、施設利用料と食事代。家賃といっても、ベニヤ板などで仕切られた三畳ほどの劣悪な住環境、日々の食事は粗末なもの。生活保護費用のうち本人に渡るのは一日千円程度。そのような環境での暮らしに加えて、煩わしい人間関係も付いて回るだけでなく、運営者による虐待も報告されています。まともな医療支援やまともな就職に向けた支援がなかなかその中に存在するはずもありません。

国はこれら施設を生活困窮者が自立するまでの一時的な起居の場とし、東京都は入所期間原則一年、千葉県は原則三か月と定めていますけれども、厚労省の行った届出がある施設だけでされた調査では、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五%、四年以上は三二・三%。一年以内という原則ですよ、三か月以内という原則ですよというけれども、その届出がされている施設だけで行われた調査でも、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五パー、四年以上は三二・三パー。

昨年末の調査で、無料低額宿泊所で年間百五十人以上が死亡退所、死んだから退所しましたということですね。これ、亡くなるということにならなかったら恐らく今もいらっしゃるという状況にあると思います。

いっとき身を寄せて、いっとき身を寄せて自立支援につながるような場所ではなく、人間を見えないドヤに押し込めて、ついの住みかとし、存在をないものとして扱っている。社会的立場の弱さから選択肢がほかにない人々と、それを利用した卑劣極まりない貧困ビジネスとのマッチングを黙認することが常態化してしまっている。雨風しのげるんだろう、一日三食あるんだろう、ぜいたく言うなよ、野宿やめろ、福祉につながれよというのは、私かなり乱暴だなと思うんですよね。丸投げな話だと感じてしまいます。行政には振り回され、まともな援助も受けられず、国の福祉政策の破綻部分を実体験した人々は、精神的にも追い詰められ、もう懲り懲りだと。最終的に路上生活を選んだという人々がいる理由はそこにもあるわけです。

そんな社会的に弱い立場に置かれた方々にも寄り添うという気持ちがオリンピック開催国には求められています。オリンピックの憲法とも言えるのがオリンピック憲章。それをより具体的に目標そして目的を定めたものがオリンピックムーブメンツアジェンダ21。その中には、社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払わなければならないとうたわれています。

シドニー・オリンピックをきっかけにオーストラリアでは、ホームレスには路上の権利、つまり公共空間である路上に滞在する権利があるということを定められ、公共空間にいる権利議定書というものが複数の州が締結したと。イギリスで開かれたロンドン五輪。仕事に就いていない方々対象に、七万人を五輪大会関連事業の競技場建設、運営スタッフにする計画を掲げた。実際には六万八千九百人を雇用した。職業訓練、就業、収入を得る機会につながったなど、オリンピックの開催国として、このアジェンダ21にも言われているとおり、社会的に弱い立場におられる方々に対し寄り添うという行動をオリンピックホスト国として確実に前に進めている、これは前回の質疑でもお知らせしたとおりのことでございますけれども。

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