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今夏、全国大会出場を決めたPL学園「軟式野球部」の物語

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【硬式野球部と同じ「あの帽子」が、今夏、全国で躍動する】

 夏の高校野球は連日、熱戦が続いているが、もう甲子園でその姿を見ることができないのが桑田真澄、清原和博ら多数のプロ野球選手を輩出したPL学園だ。同校の硬式野球部は昨夏で休部に追い込まれた。ただ、この夏、PL学園の「もう一つの野球部」が全国への切符を掴んだのだ。『永遠のPL学園 六〇年目のゲームセット』著者の柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 PL学園の硬式野球部が活動を休止して、はや1年が経過した。今年の3月には日本高等学校野球連盟に「脱退届」を提出して事実上の廃部となり、もはや影も形もなくなってしまった。

 アーチ状に「PL GAKUEN」の文字が2列に並んだあのユニフォームも、「PL」の2文字が組み合わさったロゴマークの帽子も、もう二度と目にすることはない……かと思いきや、そんなことはないのである。

 今夏の甲子園大会の組み合わせ抽選会が行われた8月4日、私は大阪の住之江公園野球場に向かった。春夏通算7度の甲子園制覇を誇る野球部と全く同じユニフォームを着て、同じ帽子をかぶった“軟式”野球部が、全国大会への出場権を賭け、興国高校と大阪大会決勝を戦うのである。

 PL学園の軟式野球部も強豪として知られ、甲子園大会の直後(8月24日~)に兵庫県の明石トーカロ球場で開催される全国高等学校軟式野球選手権大会にこれまで10度出場している。

 住之江公園野球場に到着したのは、ちょうどプレイボールのタイミングだった。硬式の試合が行われる球場とは違い、同球場は両翼が90メートルで、バックスクリーンまで110メートルしかない。3塁側の応援団席は、興国の生徒や関係者で立錐の余地がないほど埋まり、一方、1塁側のPL学園応援席は、まばらにしか人がいない。

 試合は両校にヒットが出ず、7回途中まで両校エースが無安打投球。大きな動きもないまま終盤に入っていく。

 先に安打が飛び出したのがPL。7回裏に四球と中前打で無死一、二塁のチャンスを作ると、相手遊撃手のエラーで1点を先制。PLのエース・殿納遼生(とのう・りょう)は8回表に初安打を打たれるも、虎の子の1点を死守し、PLが4年ぶりに大阪の頂点に立った。

 試合終了から校歌が流れている間、PL学園を率いて32年目となる斉藤大仁監督(56)の目には涙があった。

「硬式野球部が廃部になったことを卒業生が悲しんでいます。私たち軟式野球部だけでなく、世界大会に出場するバトン部、男女がインターハイに出場する剣道部が頑張ることで、卒業生に明るい話題を届けたかった。関心を寄せてくださっている方々が、どれだけ喜んでくださっているかなと考えたら、自然と涙が流れました」

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