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北朝鮮リスクに東京市場も動揺

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したとの機密分析を米国防情報局(DIA)が7月にまとめたと報じた。北朝鮮が保有する核弾頭は従来の推定よりも多い最大60発と見積もった(日経新聞電子版)。

 これに対し米国のトランプ大統領は8日、北朝鮮は米国への脅迫行為を続けるべきではないと明言し、さもなければ「世界が未だ目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう」と述べた(ロイター)。

 北朝鮮の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)戦略軍の報道官は8日、米領グアム島の軍事基地を弾道ミサイルで包囲射撃する作戦を計画しているとする声明を発表した。

 ここにきて膠着感が強まっていた東京市場ではあるが、北朝鮮による地政学的リスクがこれら一連の報道であらためてクローズアップされてきた。

 北朝鮮の地政学的リスクが意識され、9日に外為市場でドル円は再び110円を割り込んできた。日経平均は一時、300円以上も下落した。北朝鮮のICBMがグアムの米軍基地を狙っており、そこには核弾頭の搭載も可能となれば、地理的にさらに近い日本への影響も当然出てくる。それが何故、円買いとなるのかは条件反射的な動きとしか言いようがない。しかし、このリスクが現実味を帯びてくれば、いずれ円売り要因に変化することもありうるか。

 果たして北朝鮮は何をしたいのか、これに対して米国がどのような対処をしてくるのかも読めない。いまのところ軍事衝突の可能性はそれほどは高くないとの認識が、円売りではなく円買いの動きが示しているのかもしれない。ただし、外為市場では韓国ウォンなど中心にアジアの通貨は下落した。

 ただし、公約の経済政策は打てず、支持率の低下しているトランプ政権が、情勢打開を狙って、軍事行動によって国民の目を経済対策からそらせるといった手段を取らないとも限らない。しかし、そのためには政権内の結束も必要であろうが、それもおぼつかないことも確かである。

 いまのところ、北朝鮮と米国の威嚇の応酬がどのような結果を招くのかは読みづらい。日本でも核シェルターが売れているようだが、米国がリスクを冒してまで軍事行動に踏み切れるのかも疑問ではある。米政権当局者からトランプ大統領の北朝鮮に対する発言について、計画された発言ではなく、自発的なものだったとの発言も聞こえた。それでも北朝鮮からの度重なる挑発行動に対して、何らかの行動をトランプ大統領が指示することは可能性としてありうる。

 あらたな地政学的リスクの先が読めない。それだけにブラックスワン的なリスクも含むことになる。日本のお盆の時期は、年末年始と同様に国内投資家の参加が少ないだけに、海外投資家による仕掛け的な動きが強まることがある。今回も不透明な材料が出てきたことで、膠着感を強めている東京市場がさらなる動揺を見せる可能性もあり、注意したい。

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