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菅野完氏の民事訴訟事件から考察 加害側の勝手な憶測によるOKでは正当化の余地はない

菅野完氏が、女性を押し倒し、性行為に及ぼうとした民事訴訟で、菅野氏に110万円の支払いを命じる判決が出ています。
女性に性行為迫る 菅野氏に賠償命じる判決」(日テレ2017年8月9日)
「東京地裁は8日、菅野氏の不法行為を認め、菅野氏に慰謝料など110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。菅野氏側は「女性が性行為に応じる意図がないと分かった時点で、直ちに性行為を断念し、女性から離れている」などと反論していた。」
 その顛末については、菅野氏の代理人弁護士があけすけに語っています。もちろん、ご本人の同意があるのでしょうが、このような経緯の公表で守られる名誉などあるのでしょうか。
菅野完氏の民事訴訟についてのお知らせ」(ブロゴス)

 この中で非常に違和感があったのは次の点です。
「菅野氏がX氏に抱きついたのは、有り体に言えばX氏と性的関係を持ちたかったからだ。菅野氏は本件当日がX氏との初対面だったが、従前からネット上では親交があった。当日会って話をするうち、次第にX氏に好意を抱き、かつ、X氏も自分に好意を抱いてくれていると誤解してしまったとのことだ。
 一般に、男女間において、男性が「相手もOKだろう」との推測のもと、明示的に言語での承諾を取らないまま肉体的接触に及ぶことは、良いか悪いかは別としてよくあることと思う。これは「相手もOKだろう」という推測が当たっていた場合は問題にならないが、外れていた場合はハラスメントになりかねない。
 本件の菅野氏もまさにこれで、「X氏も自分に好意を持ってくれているだろう」との甘い見通しに基づきX氏に抱きついてしまった。」
 相手もOKと誤解することは往々にしてあるという主張ですが、本当にそうでしょうか。
 恐らく、この場合、初対面とはいえ、それ以前からのメールのやり取りで自分に行為を持ってくれていると思い込んでいたこと、家に上げてくれたからといことをもって、性行為もOKという判断に至ったのではないかと思います。
 無理強いはするつもりはないなどと言っていますが、性行為はOKと誤解しているのですから、そもそも無理強いということは想定されていなかったとも言えます。 恐らく抵抗されて驚いたというところでしょうか。

 しかし、問題なのは、「一般に、男女間において、男性が「相手もOKだろう」との推測のもと、明示的に言語での承諾を取らないまま肉体的接触に及ぶことは、良いか悪いかは別としてよくあることと思う。」のだろうかという点です。
 前提としての経緯等を考慮しても、それで誤解するのかいということの方が往々にしてあるからです。

 さて、私がこの記事を読んだときに思い出したのが、山口敬之氏の事件です。
山口敬之氏の不起訴問題 警察こそが説明責任を果たすべき

 このときも就職関連で自分を頼ってきた女性に対して性行為に及ぶというもので、合意の有無にかかわらず(合意がなければ強制性行罪、当時は強姦罪)、許されざるものです。
 この場合には対価としての性行為を要求しているという意味で、相手の意に反していることはわかり切っていた事件です(但し、強姦罪としての故意は別、嫌々でも応じる場合も意に反するという範ちゅうに入るからです。)。

 そのとき、ツイッターで流れていたのが、性行為承諾に関するアンケート結果です。

[画像をブログで見る]

 多くの意見(コメント)は、これで同意があるなんてなんてバカな男が多いんだろうというものでした。
 ただ、この質問の問題は、それに至る経緯を全く想定していません。車に乗ったというにしても場面設定が完全に抜け落ちています。

 会社での勤務が終わって、帰るなら送っていくよ、という場面と、デートが終わり、車に乗らないかと誘う場面では全く意味が違います。

 もちろん、後者だってイコール性行為への同意とは違いますし、肝心の場面で断られれば、無理強いなどとんでもないことですが、デートの延長線上での雰囲気の中で乗ることをOKしてくれた、というときにこのままでいけば性行為にたどり着けると思うという発想です。それを広く承諾と考えているということであれば「往々にある」ともいえます。

 その承諾ありが、抵抗があってもOKと思ったなどという言い訳はもちろんアウトですし、逆にその雰囲気、状況の中でOKと思えるのかどうなのかという場面で、勝手にOKと思い込む男もいるということも「往々にして」います。

 だから逆にいえば、乗る女性の側も、一体、今がどのような場面なのかということは十分に認識した上で、乗るか乗らないかを決める必要があります。被害に遭ってからでは遅いからです。

 菅野氏の場合、種々の口実を用いて家に上げてもらったようです。何故、初対面の女性宅に行ったのかということも問われます。

 普通であれば、女性が部屋に上げてくれることをもって好意があると思うことはあるかもしれませんが、余計な口実を作っていたのでは、そのストリーも成り立ちません。仕方なく家に上がることを許可したということになるからです。口実が胡散臭くても拒否できない人も少なからずいます。

 菅野氏の手口は、ナンパレベルですが、菅野氏が本気で自分に好意があると思い、初対面でも性行為にOKしてくれると思っていたのであれば、自分に寄ってきて連絡をしてきた女性はみな自分に好意を持っていると勘違いしていないと成り立たない主張です。

 代理人弁護士による顛末を読んでも、それで菅野氏の行動が合理化できるレベルだったのという疑問しか沸きません。

 もちろん強制性行罪が成立するかどうかは、疑わしきは罰せずの観点から故意の有無を検討しなければなりません。

 意に反するからという理由だけで有罪にしてしまったら、被告人にとって意に反するとはわからなかったという場合にまで有罪判決となってしいますが、それでは疑わしきは罰せずという刑事訴訟の大原則に反することになります。

 さらに菅野氏は反省しているとは言いますが、普通に思う疑問は、このような手口で女性に性行為がOKと思って行動しているのであれば、これが初めてではないでしょということです。それで反省と言われても、見誤ったことを反省し、次からは失敗しないように性行為を迫ろうという意味にしか聞こえません。

 こういった状況下で、その女性が菅野氏との示談交渉において女性問題を扱うなというのはよくわかります。

 菅野氏は拒否していましたが、今後、菅野氏が女性論を論じても、自らの行動を棚上げして何を言っても世間から相手にされません。

 それ以外の分野でも信頼を失うのは避けられないでしょう。自業自得です。

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