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先日の米雇用統計は利上げの判断材料にはなりにくい

7月4日に発表された7月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比20.9万人増となり、18万人増程度との予想を上回った。失業率も4.3%と前月比0.1ポイントの改善となり、16年ぶりの水準となった。平均時給も前年同月比で2.5%増となり、こちらも予想の2.4%増を上回った。

 雇用統計を受けて米国債券市場で米債は下落し、10年債利回りは2.26%と前日の2.22%から上昇した。米10年債利回りはここにきて低下基調となっており、少し戻したに過ぎなかった。これによってトレンドが変わったようにも思えない。

 米国株式市場では、米長期金利の上昇などから金融株主体に買われ、ダウ平均は66ドル高と8日連続の高値更新、ナスダックも11ポイントの上昇となった。主力ハイテク株によりナスダック主体の上昇から、そのハイテク株に戻り売りが入ると、今度は好決算銘柄主体に買われてダウ平均が上昇するなど、うまく買い回転が効いている状態となっている。

 ドル円は7月11日に114円台をつけたあたりでいったんピークアウトし、110円割れたところでいったんボトムをつけた格好となっている。今年に入ってからのドル円のチャートをみると4月に108円台まで下落する場面はあったが、110円から115円のレンジ内にほぼ収まった格好となっている。これに対してユーロドルをみると今年に入ってからはほぼ一貫して上昇基調となっている。

 少なくとも今回の雇用統計の数字は、FRBの年内利上げを後押しする材料とはなろうが、市場参加者は雇用よりも物価動向を気にしている。8月1日に発表された6月の米PCEデフレーターのコア指数は前年同月比1.5%上昇と5月と変わらずとなり、2%に届いていない。

 さらにトランプ政権の行方も不透明感を強め、経済政策についてもまったく進展を見せておらず、これも利上げの行方を不透明にさせている。ここにきて原油先物が50ドルを割り込むなど、原油価格の上値の重さもやや物価をみる上では懸念材料となろう。

 次回9月のFOMCにおいてバランスシート縮小を決定することは規定路線となっているとみられるが、12月の利上げの有無については、今後発表される物価指標次第となる。イエレン議長も足元の物価の低迷は一時的なものとの見方をしている。それが確かめられれば、12月の利上げの可能性は高まる。しかし、物価の低迷が一時的なものではないとなれば、利上げが先湯送りされる可能性がある。そのあたり今回の雇用統計は判断材料とはなりにくいため、市場の反応が限られた面もあろう。

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