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【トランプの炎と激しい怒り】

トランプ大統領は8日、「北朝鮮はこれ以上アメリカを脅さないほうがよい。そのようなことをすれば、北朝鮮はかつてないような炎と激しい怒りに直面するだろう(North Korea best not make any more threats to the United States. They will be met with fire and fury like the world has never seen)」と述べました。

このfire and fury(炎と激しい怒り)という表現はよほど気に入っているみらいで、トランプ大統領は2度も使っています(2 度目はfire fury and frankly power)。

この発言に先立ってWashington Postは、北朝鮮がICBM=にも搭載できる小型化した核弾頭の製造に成功したと伝えています。

先月の北朝鮮のICBM発射実験の結果、ミサイルがアメリカ西海岸に届くかもしれないということで、これまで以上に危機感を伝える報道が目立ちます。 

The Economistの最新号表紙が刺激的です。タイトルは、It could happen(起き得る)。右下にはツイッターの小鳥ちゃんがいますが、つぶやき程度では相手は振り向かないと言いたいようです。

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(The Economist)

New York Timesの社説は、Ready to Talk to North Korea?(北朝鮮との対話の用意?)。

この中で、国務省の記者室はこれまではアメリカ政府が外交政策を世界に向けて説明する場だったものの、今の政権になってからティラーソン国務長官がやってきたのは8月1日が初めてで、北朝鮮に二重のメッセージを発したと報じています。

トランプ政権が北朝鮮の政権交代を望んでいるわけではなく「生産的な対話(productive dialogue)」を求めているとのこと。

一方、政権内の意思統一がされておらずペンス副大統領は翌2日、北朝鮮との直接対話を完全否定しました。

社説では「政策が存在しないと疑わざるを得ない」とした上で「アメリカ国民もアメリカの同盟国もトランプ政権の方向性を理解できない」と批判。

ティラーソン国務長官は、これまでの政権同様に、北朝鮮に核兵器を放棄するよう求めましたが、それは非現実的だとして別の政府高官は「非核化に向けて北朝鮮が誠実な取り組みを行うこと(take good-faith steps to demonstrate their commitment to denuclearization)」が必要だと内々には言うそうです。

「何年にもわたって北朝鮮が約束を反故にし、信頼を失墜したことで、現在は関係が膠着している。トランプ政権からの異なるメッセージ(mixed messages)は、一歩踏み出すことをいっそう難しくしている」と結んでいます。

The Economistの巻頭特集はWar with North Korea – It could happen(北朝鮮との戦争~起き得る)ときわめて刺激的。

スーパーパワーでも経済大国でもない北朝鮮がここまでトラブルを引き起こすことができるのは奇妙だとしつつ、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長による後ろ向きのちっぽけな独裁国家(backward little dictatorship) は核を使った瀬戸際外交で世界の関心を集めたとしています。 

7月28日に実施したICBM=大陸間弾道ミサイル発射実験でロサンゼルスが射程に入っていることを示しました。

「北朝鮮とトランプ大統領率いるアメリカの衝突で怖いのは、両サイドが計算を誤って、どんどんエスカレートし、誰もが望まない災いが起きることだ」と言います。

予想されるのは北朝鮮にとっては政権崩壊と多くの死者、韓国にとっては1000万人が住む首都ソウルの破壊、アメリカにとっては東アジアの駐留米軍あるいはアメリカの都市が核攻撃を受けることだと指摘。

北朝鮮の背後にいる中国とアメリカの衝突の可能性も忘れてはならないと言います。

仮に軍事攻撃はあまりに無謀だが、外交も無理となった場合、残されるのはキム・ジョンウンを抑止するしかないと主張します。

「トランプ大統領は、ツイートや国務長官の口を借りる形でなく、自らのことばでアメリカが戦争に踏み切る考えがないものの、アメリカあるいは同盟国に対する核攻撃は即座に報復の対象となることを明確にするべきだ」としています。

アメリカは、北朝鮮のみならず中国企業に対する経済制裁を強化し、韓国と日本に対する核の保障を正式にし、韓国の同意のない北朝鮮に対する核攻撃をアメリカがしないと明確にすることなどを挙げています。

さらに、「アメリカは北朝鮮が正当な核保有国だと認めるべきではないものの、政策は不当な核保有国だということを前提に政策を進める必要がある」と促します。

「クーデターか人民の一揆によっていつの日にか北朝鮮は独裁者を放逐し、朝鮮半島は東西ドイツのように民主的に統一されるかもしれない。その時まで世界は冷静さを保ち、キム・ジョンウンを抑止しないといけない」と締めくくっています。

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