記事

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法、橘玲

1/3
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法、橘玲

僕の好きな作家である橘玲さんの新刊がでていたので、今日早速買って、さっそく全部読んだ。結論からいうと大変面白い本だった。おそらく橘玲の社会論の中では最高の出来栄えではないだろうか。橘玲の現代社会論の集大成のようで、それでいて最近のホットな話題を網羅している。

勝間和代現象を代表とする最近ずっと続いた自己啓発ブームとその底流に流れる社会の変化、リナックスのようなオープン・ソースに関わる優秀なハッカーたちとそのコミュニティーのルール、日本の終身雇用と世界的に高い自殺率、ツイッターのような新しいコミュニケーション・ツール、オウム真理教のようなカルト教団や円天のような詐欺商法・・・

話題は非常に多岐にわたる。それでいて全体としての統一感があり、とても読みやすい。様々な社会現象をもっとも根源的な人間原理、つまり人間という動物の生物学的な性質を通して深く読み解こうとしているので、豊富なトピックを扱いながら首尾一貫した主張―主張というにはあまりにも静かで消極的ものだが―となっているのだろう。そして最後にこの奇妙な現代社会で生きるためのヒントみたいなものを提案する。

1. 伽藍を捨ててバザールに向かえ。
2. 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。


実は僕も学生の多感な時期に進化生物学動物行動学の本を貪るように読んでいたことがあって、大いに影響を受けた。

だからそういう生物学の原理原則で現代社会のいろいろな現象を読み解く本をいつかは書きたいなと思っていたのだが、どうやら橘玲に先を越されてしまったようである。僕はサラリーマンとして会社で働いており、そうすることによって十分すぎるほどの報酬を得ているのだから、本を書く時間が十分にないことくらいは我慢しなければいけないのだろう。

さて、この本の最初の章は「自己啓発」についてだった。自己啓発本やセミナーに関しての著者のスタンスは実に明快だ。「やってもできない」が答えだ。人はなんらかの努力により自分を変えることができ、より高い能力を身につけて、高い報酬を得ることができるようになるという前提で様々な自己啓発本が書かれている。しかし僕自身、そういった自己啓発本や自己啓発セミナーで本当にそのように成功した人物を全くといっていいほど知らない。なぜだろうか?

答えは人間の能力というのは遺伝的に大方決まっているからだ。橘玲は一卵性双生児の研究や、様々な教育実験の研究を持ち出し、人間の能力のどれだけ多くの部分が遺伝子で決まってしまい、環境要因のほとんども思春期までの間の子供同士の人間関係でほとんど決まってしまうことを説明する。これは僕の経験とも一致するし、周りを見渡してみても非常に説得力がある。

トピックス

ランキング

  1. 1

    ブラタモリらしくない演出に失望

    メディアゴン

  2. 2

    宮台真司氏 ウーマン村本を擁護

    AbemaTIMES

  3. 3

    吉木誉絵「9条2項はいらない」

    AbemaTIMES

  4. 4

    黙って性行為するのは日本人だけ

    AbemaTIMES

  5. 5

    野田聖子氏「明治150年」に疑問

    AbemaTIMES

  6. 6

    iPhone電池交換で速度2倍の報告

    フォーブス ジャパン

  7. 7

    男たちの悪巧み 首相の交友関係

    NEWSポストセブン

  8. 8

    SHELLYが語る日本人男性の魅力

    AbemaTIMES

  9. 9

    橋本環奈 SNSの本質突いた発言

    いいんちょ

  10. 10

    韓国 慰安婦問題の新方針で自爆

    tenten99

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。