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第三次安倍再々改造内閣に思う

 同じ総理大臣が衆議院総選挙を経る度に、内閣の名称は一次、二次となる。選挙と選挙の間で内閣を変えると、改造、再改造、再々改造となる。表題の物々しい内閣の名前は、如何に安倍政権が長くなってきたかを、如実に示しているとも言える。

 政権が長く安定していることは、国民にとって悪いことではないが、それは政権が国民のために働いていることが前提である。アベノミクスを中心とする経済再生の取り組みは、一定の効果をもたらしているが、地方経済をはじめ、まだまだの感がある。

 一方で長期政権は副作用を伴うことが少なくない。安倍政権においても例外ではなく、安倍一強により生じた奢りの姿勢から、森友、加計問題が引き起こされ、閣僚や議員の不祥事も相次ぐこととなった。支持率低下と都議会議員選挙の大惨敗はこれらを反映したものに他ならない。

 そうした中、安倍総理は人心一新のため内閣の再々改造に踏み切った。ところが留任や再任の大臣は20人中14人にのぼり、新任はわずか6人に留まった。前内閣での大臣答弁に窮する場面が多かったため、答弁能力の向上に腐心した結果ではあるが、「一新」というレッテルは残念ながら貼ることは難しい。

 お友達が多いことは決して悪いことではない。ただし是は是とし否は否とするお友達であることに限る。今回の組閣では「お友達」が減り、距離を置く議員が少し入閣したものの、お友達の一部は党役員として処遇されることとなった。挙党態勢を目指したかに見えたが、これも中途半端の印象を拭いきれない。

 以上のことを総合すれば、この度の内閣改造により、傷口の出血は何とか止められたものの、直ぐに支持率が上がることは難しい。体力の回復に努め、一つひとつの仕事を丁寧にこなしながら、少しづつ支持率アップを図るしかないのではないか。

 さらに今回の閣僚の中には、やや心配な要素もある。野田聖子総務大臣は2年前の総裁選挙で、出馬直前に断念した経緯を持つ。今回は安倍内閣の一員として内部から改革を行うとしているが、一方で来年の総裁選挙にも出馬すると公言している。野田大臣の閣内での立場は何なのか。閣内不一致の時限爆弾を抱えてしまったのではないか。

 もう一人は河野太郎外務大臣である。お父上の河野洋平先生は、宮澤内閣の官房長官の時に、従軍慰安婦調査に関するいわゆる「河野談話」を発表した。リベラルな政治家であり、その息子さんが外務大臣になれば、中国や韓国は期待するかも知れない。しかし太郎大臣はリベラルというより、歴史観は安倍総理に近いのではないか。期待が失望に変わると、ショックは増幅する。

 なお今回の組閣においても、内閣人事局長は政務の官房副長官が就任するようだ。人事局長は各省庁の幹部人事を最終調整する役割がある。制度発足当初は、事務の副長官である杉田和博氏が就任するはずだったが、政務の加藤勝信副長官に入れ替えられた経緯がある。

 人事における「政治主導」を目指す目論見だが、省庁の幹部人事を官邸が握ることとなり、官僚たちは官邸を見ながら仕事をせざるを得なくなった。どんなに配慮ある局長だろうと、政治家が官僚のルールに介入する制度は、政治への「大いなる忖度」が横行する環境が生まれる。再考が望まれる。

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