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我慢の限界か?対北朝鮮問題

日本が戦時中、石油の輸入を止められ、最後の決戦に臨む決意を固めたのは「退路を断たれた」こともあったでしょう。争いの戦法は二通りあり、完全に殲滅させてしまう方法と逃げ道を一本残しておき、不要な犠牲者は出さずに相手を征服するという方法であります。日本は後者の手法を取るケースが多かったのですが、海外における戦争は前者が圧倒していると思います。

殲滅させるのを日本の戦法で得策としなかったのは無駄な死をさせないということもありますが、死を覚悟すると戦力が異様に強くなるため、戦いにくくなるためです。120%のチカラとかありえないような奇跡を呼び込むというのは限界まで来たときの人間の強さ故というものでしょう。

北朝鮮問題をめぐり国連安保理で新たなる制裁が決まりました。鉱物資源の完全輸出禁止であります。今までは民生用はOKでしたがそれすらもだめになり、北朝鮮の資金源がいよいよ細くなります。国連安保理ではこの制裁案に対して中国、ロシアの対応が注目されましたが、両国とも同意した点で北朝鮮をめぐる包囲網は更に高まってきたように感じます。

国連安保理がスムーズに決議できたのは一つに中国の弱腰外交に見えます。習近平氏は最強の国内支配体制を固めるため、現在最後の調整を行っています。それこそ、北朝鮮どころではありません。となれば吠えるトランプ大統領とバトルするエネルギーも使わないという選択肢が最も好ましいとも言えるでしょう。

一方のロシアはどうでしょうか?個人的には中国と同様、対話路線による解決を望んでいますが、北朝鮮の今の姿勢をロシアとしてサポートするにはあまりにも多くの敵を作るという計算が働いているように感じます。ロシアも2018年春の大統領選のスケジュールがちらつきます。プーチン大統領は「次も大統領をやるかは決めていない」とひと月ほど前の学生向けの講演で述べています。言葉通りには受け取りませんが、プーチン大統領も少しずつ国内世論を気にしなくてはいけないのでしょう。

ではアメリカは何処まで強気なのか、ですが、トランプ大統領が起死回生の一発を狙うとすれば北朝鮮問題をアメリカが解決する、という選択は最もありうるシナリオです。これはブッシュ元大統領が911のテロ、それを受けてアメリカが立ち上がり、テロと戦う時、としたとき、50%程度だった支持率が一気に92%まで跳ね上ったのが強烈なイメージとしてあるかと思います。

一部ではさほど遠くないタイミング、つまり8月下旬から9月にかけて何らかのアクションが引き起こされるのではないか、とされています。個人的には些細なきっかけでもあれば一気にコトが進む状況になるとみています。仮に遠くない時期にそのようなことが勃発した場合、数多くの「想定外」を生む可能性があります。

最大の計算違いが発生する可能性は中国でしょう。秋の党大会を目の前に習近平氏が目論むエンパイア創設が計画通りに進まなくなるかもしれません。また、北朝鮮が敗れた場合に難民が南の韓国と北の中国のどちらに流れ込むか、ですが、個人的には中国の方が多い気がします。韓国側は難民受け入れが少数なら「同胞」として暖かく迎えるのでしょうが、数が多いとただでさえ雇用状況が悪い中、国内反発は必至で文大統領はかなりの苦戦を強いられるはずです。

ではトランプ大統領は日本に何を望むのでしょうか?これもレバタラですが、戦後を決めるポツダム会議のようなものが設定されると思われますが、日本に一定の負担、それが金銭的なものか、同国内の戦後復興支援なのか、はたまた一定数の難民受け入れなのか、わかりませんが、何らかの要求は必然でしょう。(トランプ氏の理論は戦争は出来ない日本だが、戦後復興については日本が主体性を持て、という主張は大いにあり得ます。)

私はかねてから申し上げている通り、北朝鮮の弾道ミサイルの実験は許せないものであるもののいまだ、誰も国外に犠牲者を出していない点においてアメリカが「攻め込む最後の決め手に欠く」状況にあるとみています。金正恩氏の賢さとも言えます。

半年ほど前までは地球儀ベースでみれば北朝鮮問題は「そんなに興味があるわけではない問題」でありました。日本は地政学的影響があるので細かい情報が日々、流されていますが、欧米では北朝鮮が弾道ミサイルを放ったという記事は国際欄の隅の方に少し載るだけでした。

ところがここにきて欧米の北朝鮮に対する目線が変わってきています。私もカナダ人から北朝鮮ってどうなるんだ、と聞かれますし、新聞などでその問題をいよいよ取り上げ始めました。最近では「北朝鮮のICBMがアメリカ本土に到達するということはカナダも射程距離だし、仮にアメリカに飛んでいくとすればカナダ上空を通過するぞ」と今更ながらの煽り記事が掲載されています。

ここから先は我々が戦争に突き進んだあの時のことも考え併せ、銃声が聞こえただけでもそれが号砲になりえるほどの緊迫感が漂うことだけは頭の隅に持っておくべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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