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細野豪志氏に続く者なし 新党結成はお一人でですか 共産党嫌いだけでは通用しない でも民進党と共産党はどこが違う?

 細野豪志氏が離党することを表明しました。離党届はこれからなのでしょうが、自身が結成した党内グループ「自誓会」での表明でありながら、誰も同調者が出ないという寂しいことになっています。

民進・細野豪志元環境相が離党へ 新党結成も表明「新たな政権政党つくる」」(産経新聞2017年8月4日)

 細野氏は、今のままでは政権が取れない、今一度、政権を取りたいというのが願いだそうです。
細野豪志氏「離党を決めました」 県議「いいんじゃないですか」 地元からは同調者なしか」(産経新聞2017年8月4日)

「離党を決めました。仲間はいますが、まずは自分一人で離党します。今のままでは総選挙があっても政権の受け皿になれない。もう一度政権を取りたい」
 地元からの同調者が出ないという状況の中で、細野氏は孤立無援状態です。自身は次の衆議院選挙でも当選できるかもしれませんが、到底、政権獲得とは無縁の単なる無所属議員に過ぎなくなります。

 要は、そこまでしてでも共産党との選挙協力が嫌だというのが動機のようです。
「関係者によると、細野氏は周辺に「共産党との選挙協力はリセットすべきだ」と漏らし、代表選への出馬を表明した枝野幸男前幹事長と前原誠司元外相が選挙協力の方針を否定しないことに不満を示していた。」(前掲産経新聞)
 今の民進党の現実は共産党との選挙協力がなければ現職議員でも当選がおぼつかないくらい支持率は低迷しています。

 いくら過去に共産党のことをシロアリと侮辱した前原氏ですら、その点は承知しているであろうし、自身が代表になって戦った衆議院選挙が現有議席も割り込んだなんていう事態は絶対に避けなければならないことですから、共産党との選挙協力は不可避なのです。

 それほど共産党との選挙協力が嫌なのであれば、自前で当選できるだけの民進党の立て直しが大前提になりますが、細野氏は、その立て直しのビジョンもないまま、ただ共産党との選挙協力が嫌だと言っているだけなのですから、それがいきなり「新党結成」などと言ってみても、同調者が出ないのは当然の結末です。

 細野氏といえば民進党内では大物の一人として、今の民進党の低迷の責任もあるはずで、その責任を果たさず、さっさと離党というのであれば無責任のそしりを免れません。

 ところで、細野氏が嫌う共産党ですが、それでも共産党はちょっとという層も少なからずあるのも事実、一体、政策的にどこが違うのでしょう。

 共産党は、綱領の中では究極的には社会主義、共産主義を目指す政党です。

 天皇制についても将来的には廃止するという立場です。

 日米安保体制に反対し、自衛隊も違憲という立場です。

 また根幹に関わる政策としては、日米安保体制に対する評価です。その違いが沖縄政策に如実に表れています。

 原発政策も同じようなことが言えますが、ただ原発問題は民進党内では、「決められない」といのが現実です。

 その意味では民進党とは基本理念は全く違います。

 もっとも、理念と今、目指すべき政策は違うということになるわけですが(例えば、共産党が国会の開会にあたって天皇出席の下でも退席しないなど。その判断の是非はありますが。)、具体的にどのように違ってくるのか、です。

 政策的としては、共産党がよく言う「国民本位」というスタンスと、民進党議員は企業からの献金も多々受けていますが、この点でのスタンスは全く違ってきます。

 要は、国民本位か、大企業本位かということになります。

 構造改革に対する評価の違いからも差が出てきます。

 民進党(旧民主党)は、鳩山政権が倒れて以降、構造改革路線に回帰しています。岡田代表のときに格差是正が言われましたが、岡田代表の後任の蓮舫執行部では構造改革路線まっしぐらの野田佳彦氏が幹事長に就任し、消費税増税すらも持ち出すなど、構造改革路線を「復活」させています。

前原氏が代表になればその路線を引き継ぐことは間違いなしです。
民進「受け皿」示せるか 代表選に枝野氏と前原氏」(朝日新聞2017年8月3日)

枝野氏 当面は消費税を上げるとは言ってはいけない。まずは信頼を取り戻す。

前原氏 8%から10%に上げるのは、よほどの経済的失速がない限りやるべきだ。
 これを見る限り、枝野さんも反発を招かないよう当面、消費税増税は口にしないが、いずれはやりたいという意味合いでしょう。

 いじれにしても民進党が政権を追われた原因が構造改革路線への回帰にあったことへの反省などまるでなく、こういった路線では確かに共産党の経済政策とは大きく異なります。

 こういった政策の違いの上に安倍政権の悪政ストップという意味では共通の目標があるわけです。国の根幹が歪められようとしているのですから、経済政策の違い以上に重大な局面なのですから、野党間で協力し合うことは当然の責任です。

 細野氏にとって安倍政権が悪政ではないというのであれば、むしろ自民党に行けばいい、そうではなく自民党の悪政をストップさせたいのであれば、それに向けて野党間での協力を推進すべきです。それでも細野氏が共産党が嫌いだというのであれば、単なる感情論でしかなく、離党に正当性を見出すことはできないということになります。

 ところで、消費背増税だなんて言ってる民進党に支持が集まるのかどうかという問題はあります。本来であれば民進党は消費税増税方針を転換すべきであるし、そうしなければさらに低迷し、選挙協力があっても民進党の議席維持も困難でしょう(増税を露骨に言われれば共産党による選挙協力もないでしょう)。

 しかし、民進党が自民党への対抗軸として政権獲得を目指すのであれば、この点での反省と路線転換は不可避です。

 それから、日米安保体制に関する政策はともかく、原発政策については民進党は早晩、原発ゼロを示さなければ自民党への対抗軸を示すことはできませんし、国民の大きな支持は得られません。そうなると共産党との政策の違いはあるのかということにはなりますが、経済政策としての違いは大きくはなくなってきます。

 あとは財源の問題です。消費税増税なのか、法人税増税なのかです。

下がり続ける法人税 ここまで優遇する必要はあるのか

法人税率平成29年2017年

 よく言われるような保守二大政党制などは日本で成立する余地はありません。

 自民党に問題があったときに振り子のように別の保守政党が担うという構造になることはありません。

保守二大政党制は幻想 構造改革路線をストップする政党こそが求められている

 もともと民主党の誕生の経緯は、自民党以上に構造改革路線を推進することを目的としていましたが、結局、伸び悩み、小沢代表のもとで路線転換し、政権獲得につながっていたものです。

 保守の予備政党なるものが「野党」としての存在を維持できるはずもなく、保守二大政党制は幻想なのです。

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