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医療的ケア児の就学を阻む2つの壁

  

 今日は、医療的ケアが必要な「医療的ケア児」もお預かりする「障害児訪問保育アニー」の保護者会でした。

 アニーに預けることで、お母さんたちは就労を続けています。

ただ、そんな彼女たちが今すごく悩んでいます。就学についてです。

【医ケア児が「普通に学校に行けない」2つの壁】

 医療的ケア児は、学校に「普通に」は通えません。そのため、親(母親)は就労を諦めなくてはいけません。

 医ケア児が普通に特別支援学校や小学校に通うためには、主に2つの壁があります。

(1)「親が付き添え」の壁

 送迎バスには看護師がいない、という理由で送迎は親がやることに。

 そして看護師が足りず、授業中の医ケアは親がやってください、と。

 しかも看護師がいる場合も看護師ができる医ケアに限りがあり、親が付き添ってください、と。

 どちらにせよ親の付き添いが求められます。

(2)「放課後デイが医ケア児預からない」の壁

 障害児の学童保育である、放課後等デイサービス。(略して放デイ)

 この放課後等デイサービスで、医ケア児を預かってくれる施設はとても少ないです。

 23区だったら、無い区の方が多く、あっても1つ。しかも週5は使えません。

【壁のある理由】

 (1)の「親が付き添え」の壁がある理由はこうです。

 看護師が十分におらず、医ケアができないから。

 もう一つは、看護師がいても、看護師が医ケアをやらない/できないことで、親の付き添いが求められるケース。

 例えば東京都立の特別支援学校では、看護師がいても、呼吸器は作動確認しかできず、その管理は親に任せられています。

 これは「昔からのルールで、そうだった」からですが、現場のナースでも医ケアには抵抗が強い。

 それは、ナースがドクターの指示なく、自らの判断で医ケアを行うという文化が一般的で無いのと、研修等十分なサポート体制がないのと、何かあった時の責任を誰が取るのか、というところで法的に守られていないように感じていること等、複合的に絡まった要因のせいです。

 (2)の放課後等デイが医ケア児を預からない理由。これはシンプルで、医ケア児を預かる財務的なメリットがないから。

 医ケア児は看護師や手厚い配置が必要にも関わらず、一般の発達障害児等と同じ報酬単価しか事業者に支払われません。

 よって、医ケア児を預かっても財務的なメリットがない、もしくはデメリットが発生することで、預かりたくても預かれない、という事態になります。

【「親が付き添え」問題の解決策】

 以前から主張していたのが、今は家に限定されている訪問看護師を、学校に訪問できるように規制緩和させようよ、というものです。

 実際に国家戦略特区に持っていき、検討が重ねられてきましたが、加計学園問題によって国家戦略特区は完全にストップしており、この改革も止まっています。

 ではどうしたら良いか、ということですが、東京都が鍵を握っています。

 東京都下の特別支援学校のほとんどは都立です。小池都知事が、「(医ケア児の)母親解放宣言」を発し、付き添いしなくても良い体制を取るよう、都の教育委員会および都立特別支援学校に命じれば良いのです。

 教育委員会及び特別支援学校は、古い内規を見直し、医ケア児の通学を保証。看護師を増員すると共に、在宅診療医にがっつりとサポートしてもらい、医ケアを行なった際の事故の責任は都が取ることを明言。現場の不安を払拭し、研修等のサポートを増強します。

 都で成功モデルができれば、全国の道府県も変わらざるを得なくなるでしょう。

【「放課後デイが預からない」問題の解決策】

 これはシンプルです。医ケア児を預かった時には「医ケア児加算」が支払われるようにすれば、医ケア児を預かってもペイするようになるので、放課後デイは医ケア児を預かるようになっていくでしょう。

 報酬単価改定のタイミングは来年4月。医ケア児加算を創るか否かは、今年中に決まります。

 厚労省が財務省を説得し、医ケア児加算を創設する。そうすれば、全国で医ケア児の放課後問題が解決し、医ケア児の親(特に母親)の就労が可能になってきます。

【当事者と、当事者以外が声をあげること】

 来年4月から始まる報酬改定を後押しするには、一にも二にも世論です。

 社会保障全体がマイナス改定の中、予算は取り合い、奪い合い。そこで、今まで何もサービスがなかった医ケア児、それによって制度と制度の間に落ちた医ケア児家庭を助けるには、医ケア児加算が必要だよね、という共感の声を、どれだけ広げられるか。

 それがポイントになります。

 ぜひ、全国のNICU・産科医療関係者の皆さん、医ケア児の保護者の皆さん、それ以外にも関心のある皆さん。みなさんが声をあげ、一人でも多く、この医ケア児の問題を知る人を増やし、それが余波として一人でも多く政府関係者の方々に伝わるように。

 年末までのこの約5ヶ月が、まさに正念場であり、天王山の時となるのです。

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