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新しいステージに入った北朝鮮の脅威にどう向き合う

フジテレビの報道2001は、ついに平井上席解説員が本音を漏らしていました。安倍内閣支持率下落で外交的に強い姿勢をとれなくなり、周辺の「悪い奴」ら、金正恩、習近平、文在寅たちを野放しにすることになると、まるでネトウヨのような発言でした。漫談としてなら面白いかもしれないのですが、報道番組としてはいかがなものでしょうか。

それでなくとも、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」発射に関して危機をことさら煽っていました。確かに今回のICBM発射で、飛距離が伸びたことと、さらに弾頭技術も手に入れた可能性が高いと言われており、それは北朝鮮の脅威が新しいステージに入ったことを意味します。

なぜ弾道技術が重要なのかですが、弾頭技術がなければ大気圏再突入時の摩擦熱で弾頭は燃え尽きてしまい、ミサイルとしては機能しないからです。おそらく予想を超えるスピードで開発が進んできているのでしょう。

いくら日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾し、それ自体が問題だとはいえ、今回発射された「火星14」は日本攻撃に向けて開発されたミサイルではありません。アメリカ本土攻撃にむけたものだからです。あえて米国の独立記念日に発射し、金正恩も「米国への贈り物」と称し、今後も「大小の贈り物」を送り続けると語っています。面白いなと思ったのはあの田母神氏も、そのような趣旨をツイートしていたところ非難が集まっていることです。

北朝鮮はアメリカの本土攻撃ができるようになったのです。それが新しいステージです。

日本は、今回の「火星14」の技術進化を待たずに、すでに中距離弾道弾ノドンの射程距離圏にはいっています。

北朝鮮はノドンミサイルを大量に所有しているばかりか、昨秋のG20首脳会議当日に3同時発射も可能だということを見せつけたので、ほんとうに日本が大騒ぎするとすればその時点でした。同時発射ができることで、日本の迎撃ミサイルシステムの能力を超えた可能性が高いからです。

しかもノドンの場合は発射されて10分以内に着弾します。Jアラートが鳴り響いたときにはもう遅いと考えたほうがよさそうです。日本に向けて発射されたら撃ち落とすしかないのです。
北ミサイルはどこまで脅威なのか(上)日本の迎撃能力を超える量と技術も | THE PAGE(ザ・ページ) : 
米国は北朝鮮が核弾頭の小型化をすでに完成させていると見ていますが、もしそうなら、日本や韓国はすでに北朝鮮の核攻撃の脅威に晒されています。

そして今回の「火星14」発射で、日韓だけでなく、アメリカ本土も北朝鮮の核攻撃の脅威を受けるようになったのです、同盟国だけでなく、自国も脅威に晒されたとなるとあきらかに状況は変わります。

なぜなら、アメリカはこれまで以上に北朝鮮を軍事攻撃できなくなってしまったからです。もしかすると今なら間に合うのかもしれませんが、その報復攻撃のリスク、アメリカ本土に核ミサイルが着弾し、市民が亡くなる事態、それがたとえを万が一であっても、トランプ大統領がそんなリスクを犯して行動を起こせるかは疑問です。

いまのままでは、アメリカのジレンマを金正恩は見透かすようにミサイル実験をエスカレートさせてきています。さらに核実験を実施して挑発し、トランプを試す可能性もでてきたように思います。

韓国の文在寅大統領は対話による解決を訴えましたが、それを一蹴するかのようにミサイル実験が続けられています。そもそも文在寅大統領は相手にすらされていません。なぜなら北朝鮮の金正恩は、体制を維持するためには核保有しかないという信念、北朝鮮崩壊をさせることができるのはアメリカしかないと思っているからです。
北朝鮮またもミサイル発射で韓国融和政策の失敗は明白だ | 元駐韓大使・武藤正敏の「韓国ウォッチ」 | ダイヤモンド・オンライン : 

核攻撃能力をもつことを目標としているので、いくら対話による解決をはかっても、着地点がありません。しかし経済的な圧力による政策の効果はまったく見えてこない状態です。現在の「圧力と対話」のままで、北朝鮮の核の脅威から守ることができるのかもかなり怪くなってきています。

フジテレビの平井上席解説員は安倍内閣が強い姿勢だから、なにか北朝鮮の核攻撃能力開発を阻止できているかのような言動ですが、現実はそうはなっていません。強い姿勢は、日本国内向けには有効でも、北朝鮮の金正恩の狂気に効いているとはとうてい思えません。

北朝鮮の脅威が新しいステージにはいったこと、さらに中国のみならずロシアの軍拡が再び始まったとこで、大きく安全保障環境が変化してきています。

そういった新しい時代のなかで、日本の安全保障はどうあるべきかを、そろそろ真剣に考える時期に入ってきているのではないかと感じます。

ほんとうに北朝鮮の核放棄が実現できるのか、もしできないのなら、目標を変えるべきです。政治利用ではなく、右とか左とかのポジショントークを止めて、どうすれば国民や日本社会の安全を担保できるのかという視点からの議論を、タブー抜きに深める時期に入ってきたのではないかと感じます。タブー抜きにとは日本の核保有の是非も含めてです。

未来に向けて絶対正しいということなどなく、大切なのは、国民が議論しあい、また自らで深く考え、道を選ぶことだと思えるのです。そのために必要なのは、操作された情報ではなく、国民ができるだけ正しい情報を共有することです。意見や立場の違いはいいのですが、間違った情報操作による誘導は止めないといけません。

情報操作といえば、朝日などによる印象操作がネットでは問題になっていますが、いわゆるヒダリだけでなく、ミギのメディアも劣化の激しく、世論誘導の意図が目立つようになってきているのが気になるところです。

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