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スタートアップに必要なのは資金よりも経営ノウハウ

どうやらビジネスのスタートアップが花盛りになってきたようです。以前からお伝えしているように東証一部上場の大企業や老舗企業は成長が止まっているところも多く、時代の急速な変化にむしろ守りの姿勢を強めているところもあります。多くは今までの安定経営をいかに継続するか、という保守的チャレンジだと思います。

一部の大企業ではリスクテイク、アイディア、フレッシュさなどという耳触りの良い理由でベンチャーに投資するところも増えています。例えば日経ビジネスによるとパナソニックは今後5年で110億円をベンチャーに投じるとあります。

起業家の私から見れば流行に乗っている大企業にしか見えません。大企業病とは安泰と上から目線でビジネスをすることの意です。私のような弱小、極小は足元にも及ばないどころか近づくことすら許されません。ところが我々はビジネスアイディアは大企業の足元には落ちていないと考えていますので全然別のところをいつも歩んでいます。言い換えれば大企業が探しても簡単に面白いビジネスを発見できるものではないのです。

ではベンチャーの側から見るとどうか、なのですが、世の中、大きく変わってきたと思います。かつて起業家にとって最大の難敵は資金でした。が、金融緩和のおかげで投資家が目を皿のようにして投資対象を探しています。その辺のオヤジが千万や億単位にお金をひょいと出すのです。よってちょっと魅力ある投資案件=起業家がいればそこそこのお金はかつてに比べてはるかに集まりやすくなりました。

ではベンチャーは何に苦しんでいるか、といえば経営そのものであります。大概、起業家はある一つの面白いアイディアを深堀することにより人より先んじたサービスやモノを生み出します。ただ、それをビジネスというテーブルに載せ水平展開するのは極めて苦手なのです。

それこそマーケティング、経理、人事、法務、総務までほぼ何もできていないという方は多いのです。私は起業家であると同時に投資もします。投資をしながら私はその会社に思いっきり首を突っ込むことにしています。それはせっかくのアイディアがビジネスとして浮上し、成長し、利潤を生むようなベースを作る必要があるからです。つまり、ベンチャーと一緒に汗をかきます。

大企業の投資部門はそんなことはしません。金を出したのだから成果を見せろ、です。この発想そのものがそもそもの間違いです。ベンチャーには金ではなく、小規模の会社の経営ノウハウをまず植え付ける、あるいはそのお膳立てをしてあげることが必要なのです。

実はごく最近、あるビジネスで協業を打診されました。聞いたとたん、起業家の直感で間違いなく跳ねる事業になると判断し、瞬間にOKを出しました。打診した本人は紙に書いたプレゼン資料もなく、私に15分か20分しゃべっただけです。

このニュービジネスは資金需要もありますがそれは二の次で新しい分野の事業をどう、切り崩し、造成し、道を作るか、ここにかかっています。私が主業とする不動産やシェアとは全く違うビジネスですが、ビジネスの新しい道づくりの話を考えると血が騒ぐのです。突然、活力がみなぎり、やるぞー、という気になるのです。

一方でこれもごく最近ですが、ある方にはダメ出しをしました。夢を語り、勉強し、うんちくは立派だったのですが、アイディアそのものに現実性がないのです。私は話を聞きながら損益計算とキャッシュフローを頭の中でざっくり作り上げます。1-2分もあれば計算できます。その場合、本人がどれだけ頑張ってプレゼンしてもビジネスの基本である収益見合いがない点がそっくり抜け落ちているのです。リスクファクターを乗せる以前の基本の経営モデルそのものがワークしないのです。

最近よく見かけるのが「日本の良さ」を海外に持ち出すビジネス。実はこのハードルは非常に高いのです。ところが「海外の良さ」を日本に持ち込むのはかなりイージーです。海外にいるとネタが転がっているのではなく、ネタを創造しやすくなるのです。発想そのものが全く違うとも言えそうです。

日本のスタートアップビジネス、成功してもらいたいと思いますが、単なるブームで終わらなければよいという危惧も感じる今日この頃です。

では今日はこのぐらいで。

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