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代表選を通じて民進党が訴えなければならないこと ①「国籍法」改正も見据えた「公職選挙法」改正

「国籍」の枠組みは、主権者たる国民の範囲を決める民主主義の最重要事項である。
日本人にとってはその権利能力形成を行い、担保するのが「戸籍」である。

にもかかわらず、「国籍法」「戸籍法」には不備や不足、もっと言えば「確信的バグ」があちこちに埋め込まれており、過去から現在まで全ての日本人の権利擁護機能を十分に果たしているとはいいがたい。
 結果、主権者である日本人にも関わらず参政権にすらアクセスできない人々(無戸籍者)がいることは、国家にとっても国民にとっても恥ずべきことであると思う。

 その認識があるからこそ、私は国会議員、国会議員を目指す政治活動者として、国の根幹(佐藤優先生に言わせれば「ど真ん中の政策」)である「戸籍」「国籍」の問題にコミットしながら活動をしてきたのだ。誰にも評価されないけど(笑)

さて、今回の代表選挙だが、民進党はこの機会を通じて訴えなければならないことがあると思っている。

まずは「国籍法」改正を見据えた「公職選挙法改正」である。

 代表選挙中に独占インタビューを行なったジャーナリストの野嶋剛氏は、戸籍開示をした蓮舫氏に対し「国籍問題の敏感さや難解さを十分に理解しないで対応した初動の甘さが大きな代償となりました。」(野嶋剛公式サイト二〇一七年七月二〇日記載)とし指摘しているのだが、
「国籍問題の敏感さや難解さを十分に理解しないで対応」どころか、これに対して沈黙した民進党に対しても国民は信頼感を高めるには至らなかったのではないかと思っている。

 なぜならば、それは「国権の最高機関」である国会の構成要員である「国会議員」を決めるという重要要件とつながるからだ。

公職選挙法第10条(被選挙権)は次のように規定している。

「第十条  日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。

一  衆議院議員については年齢満二十五年以上の者
二  参議院議員については年齢満三十年以上の者
三  都道府県の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの
四  都道府県知事については年齢満三十年以上の者
五  市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの
六  市町村長については年齢満二十五年以上の者
2  前項各号の年齢は、選挙の期日により算定する。

 さて、ここには実は幾つもの論点がある。
 地方議会議員においては「選挙権」がなければ「被選挙権」が行使できないが、首長だけはそれがないのはなぜか?

 知事には自治省・総務省出身者が多く、居住要件をかけると、いざという時に立候補ができないから、ともまことしやかに言われてもいるが、それも含めて選挙権の居住要件は妥当なのかは、今回の国籍等とは別途論じたい。

 さて、国会議員について見てみよう。

 まず、選挙権の行使だが、小選挙区については居住要件があるが、比例区については一切ない。だからこそ、在外投票が行なわれている。

 被選挙権については居住要件もない。「日本人であること」だけだ・

たとえば、山形県在住でも東京都の選挙区で選挙に出ることはできるし、外国在住でもできるのだ。単一か多か等国籍所持に関しての規定もないので、国籍法の規定に反して二重国籍状態であろうが、立候補することはできる。

 オーストラリアの国会議員が辞職したのは、憲法で国籍要件があるからである。

 消極的にせよ二重国籍を認めているアメリカでは、一定期間居住実績がなければ選挙に出ることはできない。連邦下院議員の候補者は、25歳以上で、米国市民となって7年以上経過しており、選出される州の合法的居住者でならなければならない。上院議員候補は、30歳以上、米国市民となって9年以上経過しており、選出される州の合法的居住者でなくてはならない、というふうに。

 日本はこうした規定がないから、理論上は他国の国会議員であっても、日本の国政選挙、もしくは首長選挙の候補者となることはできるのだ。
 なぜそうしたことが起るかと言えば、公職選挙法はそうした被選挙人が登場することを想定していないからだ。
 

外務公務員法第七条では、「外務公務員の欠格事由」をこう規定している。

 1 国家公務員法第三十八条 の規定に該当する場合のほか、国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない。
2  外務公務員は、前項の規定により外務公務員となることができなくなつたときは、当然失職する。

 外交官は単一国籍が求められ、外交官以上に国家機密や国益に関する情報を得る立場にある国会議員が重国籍を認められるのはおかしいというのは常識的な判断だと思うが、それを具現化するためには、公職選挙法で国会議員の被選挙権の要件に国籍を入れるか、また居住要件等を入れるなどの工夫をしていかければ、少なくともこのアンバランスさは解消しない。
 さもなくば、外務公務員法を改正して、この条項をなくすか、である。

 「国籍」「戸籍」と対峙していると「父母両系血統主義」を採用した以上、重国籍者を完全に防止することは困難であると実感する。

 「国籍選択制度」は1985年の国籍法が大きく変わる時に重国籍抑止のために作られた制度だが、30年が経ち、実効性がないこともわかっている。

 世界が現実的には積極的、否かにかかわらず重国籍容認となっているなかで、日本が今後とも国籍唯一の原則を堅持していくことは困難であるし、そもそも国籍選択を迫ることは基本的人権の尊重に反するとも思う。

 だからこそ、今までの曖昧で、表向きは勇ましく「禁止」を叫ぶが実効性がなく、公平性にも乏しい「国籍法」を改正し、一般的には重国籍を認めた上で、国会議員等の被選挙権については新たな要件を入れる、という形が最も現実的な解決だと思っている。

 こうした点も含めて「微妙な問題については触れない」代表選ではなく、公党として堂々と党内論議・論争ができる民進党に生まれ変わらなければ、政権担当能力云々以前に民意の受け皿になることはできないと思う。

(関連して、8月8日発売の岩波書店「世界」九月号巻頭「世界の潮」に「‘蓮舫氏の「二重国籍問題」“から見えるもの」と題して寄稿しているのでお読みいただきたい)

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