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【新聞チェック】″原爆の日″に全く触れなかった産経、特集満載の朝日・毎日とは対照的

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 8月6日、広島市内に原爆が投下されて66年目を迎えた。原爆ドームで知られる平和記念公園で開かれた式典では、菅首相は福島第一原発事故に触れた。「私は原子力については、これまでの『安全神話』を深く反省し、事故原因の徹底的な検証と安全性確保の抜本対策を講じるとともに、原発への依存度を引き下げ、原発に依存しない社会を目指してまいります」と表明。脱原発に向けた方向性を強くPRした。


 この日の朝刊は、全国紙のうち朝日と毎日の2紙は多くの特集記事を組み、「原爆の日」を大々的に取り上げていた。これに対し、読売と産経はほとんど力を入れていない。読売の場合は一面の小さいコラムだけ。産経に至っては関連記事は皆無だった。対照的な各社の書き方を比較してみた。(BLOGOS編集部・安藤)

「核との共存から決別へ」(朝日)



 朝日新聞は国際平和シンポジウムや、中国の物理学者のインタビュー、原爆を投下したエノラ・ゲイの搭乗員の孫への取材記事など充実した内容だ。1950年代に、広島に原発を造る案をアメリカ政府が検討していたことを伝える記事まである。社説では「核との共存から決別へ」と題し、原爆に絡める形で脱原発を訴えた。
核エネルギーは20世紀の科学の発達を象徴する存在である。

私たちは、一度に大量の人間を殺害し、長期にわたって被爆者を苦しめてきた核兵器の廃絶を繰り返し訴えてきた。

世界各国に広がった原発も、同じ燃料と技術を使い、危険を内包する。ひとたび制御を失えば、人間社会と環境を脅かし続ける。その安全性のもろさが明白になった以上、原発から脱却する道も同時に考えていかなければならない。

「経験を福島にも生かせ」(毎日)



 毎日は、ライトアップされた原爆ドームの写真を一面に持ってきた。社会面には、原爆で家族4人を失った元商業学校生の記事。社説では、「経験を福島にも生かせ」の見出しで、こう訴えた。
 すさまじい破壊力で一瞬にして大量の放射線を放出した原爆と、低線量の放射性物質の影響が広範囲で続く原発事故の違いは大きい。だが、人々が放射線被ばくによる不安に長年苦しめられる点は共通する。

(略)核兵器と原発はこれまで切り離して考えられてきた。近年は原子力に対する「安全神話」も浸透していた。しかし、福島の事故は原発の危険性に改めて目を向けさせた。唯一の被爆国としての経験を原発対策にも生かしながら、従来にも増して核廃絶のメッセージを発信し続けるのが私たちの責務である。
 朝日と同様に「脱原発」に向けて足並みを揃える内容だった。

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