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蓮舫氏突然の辞任劇どのような影響? 民進党の今後「野党共闘しかない」

 27日に開いた会見で民進党代表の辞意を表明した蓮舫氏。突然に思われる辞任劇の背景をどのように見るのか、今後の民進党や政界にどのような影響があるのか、上智大国際教養学部の中野晃一教授(政治学)に、話を聞きました。

野田幹事長後任人事を決められなかったことが辞任最大の理由

 なぜこのタイミングで辞任を表明したのか。中野教授は「都議選の結果、執行部の求心力が失われ、最低でも幹事長が辞めないと、という党内駆け引きがあった。そして野田氏の後任を探したものの、結局思うように見つからなかったでは」と野田佳彦氏の後任となる幹事長引き受け手がいなかったことが直接の原因とみます。

 また「民進党の顔としての発信力という軽薄な理由で代表に選ばれた」とも指摘。政治経験や年齢などの面で「ウエイトが軽い」、「申し訳ないがそんなに中身がある人ではない」と代表としての資質・実力不足の面があったと考えます。

 そのため「残念ながら代表として期待されたそこまでの発信力がない、となると参院議員であることや二重国籍問題などで足元がもつれたこともあり、党内部で軽んじられてもたなかったのだろう。実直だがまじめで面白みのないと言われていた岡田氏の真逆を選んだが、岡田前代表が続けていれば、また民主党という名前も変えずにいれば、今のような事態はなかったのでは」と、もともと蓮舫氏の代表選出が適切だったのか、疑問を投げかけました。

二重国籍の対応などで党内の足並み揃わず

 ただ、蓮舫氏が代表選前から指摘された二重国籍問題については「個人的には不当な攻撃だと思うし、民進党が毅然として戸籍の公開などをはねつけるべきと思っていたが、ここでも党内の足並みが揃わなかった」。

 共産党との野党共闘でも「蓮舫氏は党の立て直しのために尽力したが、この点でも党内が呼応したかといえば、執行部に責任を押し付けたり、足を引っ張ったり、傍観者であったり」と、蓮舫氏は会見で自身の「求心力不足」を繰り返し発言しましたが、蓮舫執行部でまとまろうとしなかった民進党内部にも問題があったといいます。

代表辞任による党離脱の影響は……

 蓮舫氏代表辞任によって民進党からの離脱や分裂などの動きは進むのか。中野教授は既に離党した衆院議員長島昭久氏の「後追いが一部あるかもしれない」と話します。

 長島氏や自民党を離れた若狭守氏らが、小池百合子東京都知事率いる地域政党「都民ファーストの会」から国政政党を立ち上げる動きもみられますが「小池氏の人気に集まっているが、小池氏が国政に返り咲くことはないし、実際そんなことをしたら大ブーイングが起こる。実際に立ち上げるのが名前の上がっている長島氏、若狭氏、松沢成文氏、渡辺喜美氏では、自民や民進からこぼれおちた新しみのない、中身のない、うわべだけの党をつくっても成功することはないだろう」。

 「維新を例にすれば、自民の別動隊となって行き詰っていることや橋下氏、東国原氏が国政復帰失敗していることからもわかる」、「都議選が民進の足元を揺さぶったのは事実だが、危ないのは地方と国政は違うということ。地方レベルで起きていることが必ずしも国政レベルでということではない」と、今回の辞任騒動が民進離れを加速させたり、国政での小池新党誕生が民進党に代わる受け皿となる動きにまで広がるかは、疑問符をつけました。

野党共闘しか党勢立て直し方法はない

 では今後、民進党が野党第一党としての存在感を取り戻していくことはできるのでしょうか。「ようやく安倍政権が追い詰められ、そして追い詰めたときにお家騒動をやっている場合ではなく、奇をてらう人事でなく、野党共闘をしっかり構築していくような執行部を期待している」と中野教授は言います。

 「ほかの野党との違いを際立たせるのではなく、安倍自民と対峙するところを示すべきなのは、これだけ厳しかった都議選で共産党が議席を伸ばしたことからもわかる。今すべきことは自民と近いことを示すことではない」。

 近く開かれる代表選では「党の再建が論争の中心になるだろうが内向きな議論でなく、打倒安倍政権、野党共闘を引っ張っていける議員を代表に据えること」、「野党共闘しか、民進党が党勢を立て直す方法はない。結果的に岡田氏、蓮舫氏がやってきた自民との対決姿勢を引き続き示すべきだろう」と述べ、野党共闘体制を構築できる新代表を選ぶことが、民進党に残されている手段との見解を示しました。

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