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貯蓄信仰、早く卒業しよう

 日本人の貯蓄信仰は、明治政府による殖産興業・富国強兵をスローガンにした政策に端を発する。

 お金がなかった明治新政府は、国民の資金をいかに有効に経済力強化に活用するかに腐心した。

 そこで始めたのが、郵便貯金の制度である。 また、全国各地の有力者に銀行を設立させていった。

 その上で、貯蓄奨励の国民教育を徹底した。 勤倹節約、チリも積もれば山となる、といったスローガンも普及させた。

 国全体に資金不足だったから、全般的に金利は高く、国民の預貯金は立派な財産形成となっていった。

 国による強力な貯蓄振興政策と、それなりの財産づくり実績とが相まって、日本人の間に貯蓄信仰は深く浸透していった。

 戦後、貯蓄信仰は吹き飛ぶ危機にさらされた。 預金封鎖されている間に、物価は100倍となり、預貯金者は財産を大幅に目減りさせた。

 また、戦時国債は紙切れ同然となり、国の政策に対する国民の信頼は地に堕ちた。 その背景に、強烈なインフレがあった。

 ところが、国土が瓦礫の山となった戦後復興に、国民は勤倹節約と貯蓄でもって応じた。 それが高度成長につながっていった。

 日本中が資金不足だったから、金利水準も高く、10年で2倍になるという実益を国民は堪能した。 かくして、日本人の貯蓄信仰は現在にまで続いている。

 とはいえ、1993年から超低金利政策に転じて、早24年になる。 この間の預貯金の利回りは、1%台を割り込んで年0.01%にまで落ち込んでいる。

 財産づくりという点では、まったくお話にならない状況がずっと続いているわけだ。 それも、24年の長きにわたって。

 もはや一刻も早く、国民は目覚めた方がいい。 成熟経済となって久しい日本で、過去のような年7%とかの預貯金利子は望むべくもない。

 もしあるとすれば、強烈なインフレに襲われて、預貯金の利子も後追いで上がっていく図式だけである。 その時は、資産価値が大きく目減りして嘆くことになる。

 逆に、国や日銀のデフレ克服政策の先では、インフレ到来は必定。 戦後の預金封鎖の間に物価が100倍となった悪夢を連想しておいた方が賢明である。

 一刻も早く貯蓄信仰を捨てて、預貯金に置いたままの思考停止から脱却しよう。 そして、財産づくりと財産防衛の手段を講じておくのだ。  

 幸い、われわれが本格的な長期投資で、年5%近い財産づくりのモデルを18年近くも提示してきた。 どちらが優れているか、比べるべくもない。

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