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イチローが「一連の動作」を変えない理由

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スポーツ選手やカリスマ社長も、同じ人間だ。大事な場面では緊張する。だが、達人たちは失敗しない。なぜだろうか。それは事前に脳内で「リハーサル」を済ませているからだという。普通の人でもすぐに真似できる方法を紹介しよう。


人前でプレゼンテーションやスピーチをするのはもちろん、たった数人の顧客の前でも特に相手のオフィスに行ったときなど、いつもと違う環境に置かれたり、成功しようと力が入るだけでもストレスを感じ、普段通りのパフォーマンスが出せない……そんな経験はだれでも持ち合わせるものかもしれない。

例えば、どんなストレス下でも最高のパフォーマンスをしなければならないスポーツ選手たちは、「メンタルリハーサル」を大切にしている。ご存じの通り、あらゆる試合場面を想定して、最高のパフォーマンスができた場面をイメージするものだ。

■最高のパフォーマンスができた場面をイメージする

もちろん、すべては“慣れ”で、こなれてくるものでもある。日々練習を積み重ね、筋肉や瞬発力を鍛えることで体は自然に動き、多くの試合をこなすことで本番のどんな場面に対応できるようになるだろう。プレゼンなども同様で、何度も繰り返すうちに人前で言葉に詰まることなく話せるようになるものである。スティーブ・ジョブズの練習量の多さは有名だ。プレゼン前には練習を積み重ね、本番直前には、丸2日かけてリハーサルを行っていたという。

こうして体が覚えるまで練習をしたとき、実際に記憶しているのは、筋肉など体ではなく「脳」だ。体が自然に動くほどの慣れには、脳の補足運動野に神経回路を構築することが必要だとされている。そのためには、実際に行動するだけでなく、行動するイメージを頭に思い浮かべるだけでもいい。本番の動きを繰り返し頭の中で思い浮かべ、再生するだけで脳が活性化されて、その行動にまつわる脳の神経を強化できるという。

例えば手を動かすことをイメージした場合は手と関連する脳の領域が、足の運動をイメージしたときには足と関連する領域が活動し、同時にイメージに関連する筋肉にも反応が起きる。実際には体を動かさなくても、動かしたのと同じように価値ある練習につながっていく。

これが「メンタルリハーサル」だ。

■「体が覚えている」状態になるために大事なのは「脳」

私が以前スキー1級検定を受けたときには、滑る前にコブや斜面の広がりを眺めて、「ここはこう滑る」と自分の滑るラインとその各所のかわし方をイメージしてから滑るようにと指導を受けた。このほうが、いきなり体当たりするよりもはるかに滑りやすく、万が一バランスを崩したときにも素早く対応ができるものだ。

他のスポーツでも同様だ。例えば、サッカーをイメージしてみよう。シュートを決める場面ばかり思い描くのではなく、一連のプレーのイメージを頭に思い浮かべる。ペナルティーエリアの手前でボールを受けて、ドリブルで相手チームの1人をかわしたら、キーパーの脇を抜けてシュートを打つ……と、こんな具合だ。

メンタルリハーサルが生かされているのはスポーツばかりでない。ピアニストの辻井伸之さんは、目が見えないながらも素晴らしい演奏をし、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した。子供の頃には、コンクールで金賞を受賞するところまでリハーサルするなど、心理的に“勝てる”という訓練をしていたそうだ。

では、これを私たちのビジネスの場に応用してみよう。

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