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放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。

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ラファエル・ヴァルナゾヴィチ・アルチュニャン氏(自由報道協会主催会見)
ラファエル・ヴァルナゾヴィチ・アルチュニャン氏(自由報道協会主催会見) 写真一覧
アルチュニャン博士はチェルノブイリ事故以降25年間にわたり、事故の収束、調査研究を続けてきた。フクシマの原発事故について「危機は過ぎた。後はどう冷やすか」「放射能が怖いのは海中でも地中でもなく、空中への飛散。今回の事故で飛散した放射線物質はチェルノブイリの10分の1であり、必要以上に放射線を恐れることはない。」と語った。博士はプライベートで来日し、石巻市でボランティア活動に参加の後、会見を開いた。【取材・構成・撮影 田野幸伸(BLOGOS編集部)】翻訳文提供:自由報道協会

プロフィール


ラファエル・ヴァルナゾヴィチ・アルチュニャン博士

ロシア科学アカデミー 原子力エネルギー安全発展問題研究所副所長。物理数学博士。
チェルノブイリ原子力発電所での災害発生以来、事故のもたらした結果を根絶する仕事に積極的に加わり、25年間チェルノブイリ・テーマに特別な関心を払ってきた。
重大事故の専門家として、チェルノブイリにおいて形成された燃料溶岩の拡散を未然に防ぐ作業に加わり、燃料挙動モデルを作り、破壊された原子炉の調査を再三にわたり実施。これは特に、破壊されたブロックを封鎖し180トン以上の照射核燃料を抱えたシェルター建造物の安全性確保の問題に関することであった。


アルチュニャン副所長のモノローグ



司会者の質問:今回の福島第一原発の事故、そして、その被害状況をどのように見ておられるか、お話しいただければと思います。


博士:こんにちは。実は、私は今回、家族と共に余暇を過ごすために日本にやって参りました。長年、日本に来ることを夢見ておりましたが、これまで実現できなかったという経緯があります。簡潔に言いますと、本当に日本は素晴らしい国、そして、素晴らしい日本の人々、今回の来日を通して、日本を知ることができ嬉しく思います。

簡単に、私どもの研究所が従事している内容、そして、今回の福島第一原発事故の問題にどのような関連性を持つのか、簡単にお話したいと思います。

当研究所は、チェルノブイリ事故後に創設された機関で、ロシア科学アカデミー枠内の研究機関として、原子力エネルギー産業における、原子力および放射線安全に係る問題を研究するための、独立した研究機関です。

当研究所のスタッフの多くが、86年に行われたチェルノブイリ事故処理作業に携わっております。私どもは、チェルノブイリ原子力発電所サイト内、そして、第4発電ブロックでの作業に従事しました。これ以降、当研究所は、ロシアにおけるチェルノブイリ事故によってもたらされた影響の研究に従事しております。この研究において、我々は、ロシアの先駆的な専門家ら、医学者らとも協力・連携を取っております。

当研究所は、原子力エネルギー産業において最も重要な問題である、原子力発電所における「過酷事故(シビアアクシデント)」に関して研究を行っております。

また原子力産業における安全性に関連した全般の事項、(例えば)放射性廃棄物関連、そして先に申し上げました過酷事故(シビアアクシデント)の研究、また、放射能事故による影響について研究しております。

日本で地震が発生したその当日から、当研究所では、この事故により日本の原子力発電所施設でどのような状況が起こりうるのかを評価するための作業を開始しました。そして、問題の核となるのが福島第一原発であると判明し、それ以降は、同原発の評価・調査に従事致しました。まず初めに、数値計算をもとにシミュレーションを行い、東京電力が公式なものとして発表したデータが入手できてからは、実際に福島第一で何が起こっているのかを把握することができましたし、日本の文部科学省がインターネットを通して提供している膨大な数の放射線状況に関するデータは、我々の作業においても、住民の立場からみた事故状況がどのようなものであるかを把握するうえで、大変役立つものでした。

全体として、何が起こったのかということは、たぶん、皆さんはすでにご存じかとは思いますが、地震発生後の津波により、発電所内の13台あるうちの12台の(非常用)ディーゼル発電機が故障し、これにより、1号機、2号機、3号機の冷却が中断され、また、1号機、2号機、3号機、4号機の使用済み核燃料貯蔵プールが損傷し、その結果、核燃料に破損が生じたことで(放射性物質が大気中に)放出されました。

全体として何が起こったかということは、周知のことかと思います。ただ、皆様のご同僚から、情報が少ないという意見を聞きました。申し上げられるのは、事故当日においては情報量が少ないという問題が存在したと思いますが、しかし、このような事故が起こった場合、事故当日に発表される情報というのはどうしても少ない情報になってしまうもので、本件に関して、東京電力および規制・監督機関(訳者注:原子力安全・保安院を指していると推測されることから、以後、「原子力保安院」と訳す)からインターネット上で発表している情報量は、実際に何が起こっているのかを把握する、そして、放射能汚染の被害がどのようなものであるかを把握するに十分な量だと言えます。

文部科学省が発表している放射線状況に関するデータは、国民の皆様全てが放射線の状況を把握するうえで、また、住民の安全性の問題を理解するうえで、必要と思われる以上の情報量が出されています。

全体として、すでにお分かりかと思いますが、当研究所でも、技術的な側面を含めて多くの問題に取り組み、なぜ水素爆発が起こったのか、その結果として、原子炉の密閉性が失われて周辺環境への放射性物質が放出されたしまったこと、なぜ原子炉内の核燃料が溶解したのか・・もちろん、この原因はすでに判明している通り、冷却系統へ電源を供給するはずであったディーゼル発電機が故障したことに起因します。このとき、実際に稼働していたディーゼル発電機は5号機、6号機へ電源を供給していた1台のみで、5号機および6号機の原子炉、そして、5号機および6号機の使用済み核燃料プールへの電力供給のみが確保されていました。つまり、それ以外の4つの冷却系統がこのとき作動を停止していたため、原子炉の燃料が溶解し、使用済み核燃料プールに保管されていた燃料が損傷し、一部の地域に放射能物質が放出されてしまったということになります。

事故状況について、これ以上の詳細に触れることは差し控えますが、ただ一つお伝えしておきたいことは、当研究所では当初からこのような状況に至ることが予測できておりましたし、また、現在までに公表されている放射線状況に関するデータ、つまり、住民の皆さんが一番に不安を感じる、事故による放射線の状況に関しては、安全性の観点から放射能状況を正確に評価し、且つ、住民の安全確保にむけた対応を講じていくうえで、十分すぎる以上の情報量が出されているということです。

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