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青学の短大閉校に思うこと

青山学院が女子短期大学を閉校すると発表しました。個人的には少し前から知っていたのですが、黙っていました。今回、公にしたので呟かせていただきます。学生時代、化粧の匂いのする青短の学食に時々忍び込んでいました。女子学生が好きそうなピラフやドリアなどが器も女子好みのかわいい系で取り揃えていたのを思い出します。そこに入るのはかなり勇気がいるのですが、ある意味、別世界を楽しめたとも言えました。

さて、「アオタン」が何故、閉校になるのか、と言えば純粋に志願者が減っているためです。報道のとおり30年前は9000人近くいたのに今では2000人にも満たないためで役割を終えてきていると考えているのでしょう。大体「女子」短期大学であって、男子はなぜ、ダメなんですか、と言いたいところに短期大学の本当の歴史があるかと思います。

短期大学がもともとどういう経緯で設立されたのか、でありますが、一般的には戦後の学制制度の改革の中で四年制大学基準の規模や設備に満たないところが短大として許可を受けています。そのうえで、それまでの女子学校が高等教育機関として短大を設立したこともあり、女子短大が多いという背景があります。

次いで教育目的が四大と微妙に違います。四大の場合、「知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的としますが、短大の場合は「職業又は実際生活に必要な能力を育成すること」を目的とします。一見、短大はアカデミックさよりも実務的なレベルの教育機関という風にも読み取れます。実際には良妻賢母そのものを目的としていたと考えてよいかと思います。

良妻賢母とは「女子の本来の任務は家を整え,子を産み,子を育てることにあるとする思想に基づいた婦人の理想像を表わした語。 つまり,よき妻であり賢い母であることが婦人の理想とされ,したがって教育の目標とされた」(コトババンクより)であります。平たく言えば裁縫、生け花、家事全般が出来て子育てをきちんとできるような立派な母になりなさい、と言い換えることができるかもしれません。もちろん、今の方が聞いたら怒るかもしれませんが、かつてはそういう時代だったのですから致し方ありません。

それゆえに短大の設立学部は教養、英文、日文、福祉、看護、児童教育など比較的ソフトタッチで女子向きなものが多いのも事実です。

個人的には文科省の指針、及び短大経営者が世の変化に対応できなかったこと、そして魅力ある学部づくりができなかったことで就職を含めた短大卒の評価が十分ではなくなったことが今日の短大の敗因だと思います。

外国では短大は実務能力を養うところとしてごく普通にその地位を確立しています。私もカナダで採用試験に望むとき、短大卒の場合、一定の実務能力があるという前提で接することができます。カナダでも四大卒業の人は会社を渡り歩きながらキャリアアップを図るケースが目立ちますが、短大の場合、会社にしっかり根付いて専門職を任せやすいという違いはあるかと思います。

ところが、日本の場合、企業が新卒を雇うという習慣が変わらないため、名の知れない大学を含め、大卒と称する人が余りにもあふれてしまったのが現実であります。そこで割を食うのが短大生で、履歴書で差がつく結果になってしまったのでしょう。

日本全体の短大志願者の推移は1993年ごろがピークで定員20万人に対して26万人ぐらい志願者がいました。ところが99年に定員と志願者の数が逆転(つまり枠的には全入化)となります。在籍者の数でも93年が53万人でピークをつけますが、2016年は13万人を切っています。ちなみに在籍者の男女比は12:88で女子学校のイメージは確定的であります。短大の数は93年に600校弱でしたが、現在は340まで減っています。こうなれば学校経営としても成り立たないし、時代の流れからは遠い存在であることは一目瞭然なのであります。

では、このまま短大がなくなってよいのか、といえば私は違うと思います。何のために四大を出たのか分からない学生をてんこ盛りで生み出すより実務を身に着けた男女が生まれる短大教育を見直す時が来たと思います。

日本で教育の仕事を少し覗いていますが、できない人は本当にできないです。なのに、なぜ、履歴書に○○大学卒と書くためと「聞こえのよい良さそうな会社」に入るために四大に行かされるのか、(自分の意思で行くのではなく、親に行かされる)このあたりを原点に立ち返って考えてみるのも意味があることかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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