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日銀決定会合で反対者がいなくなる日

 7月19、20日の日銀金融政策決定会合では、今回も賛成多数で現状維持が決定された。今回も長短金利操作、資産買入れ方針ともに7対2の賛成多数となっていたが、反対したのはいずれも佐藤審議委員と木内審議委員である。

 長短金利操作について、佐藤委員は、短期政策金利をマイナス0.1%、10 年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして反対した。木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利はプラス0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがあるとして反対した(日銀「当面の金融政策運営について」より)。

 資産買入れ方針については、佐藤委員は約6兆円のETF買入れは、市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大であるとして反対した。なお、木内委員より、資産買入れ額を操作目標とする枠組みとしたうえで、長期国債保有残高が年間約45兆円、ETFが約1兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行うなどの議案が提出された(日銀「当面の金融政策運営について」より)。

 佐藤健裕審議委員と木内登英審議委員の任期は7月23日までとなり、今回の会合が最後となる。

 上記の反対理由については、至極もっともであるが、反対理由はあくまで、金融仲介機能に悪影響、国債買入れペースの一段の拡大懸念、日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などとなっている。それ以前に異次元緩和が効果を及ぼしていないという事実が含まれていない。これを含めて本来であれば、長短金利操作付き量的・質的緩和というタイトルだけが長くなっている緩和策を再検証すべきものではなかろうか。

 すでに欧米の中央銀行は正常化に向けて舵を取りつつある。そんななか、日銀だけが取り残されそうな雰囲気にある。この状況下で正論ともいえる意見を言い続けた二人の委員がいなくなってしまうと、日銀はますます異質な政策を一丸となって続けるような印象も与えかねない。

 政府との共同文書や物価目標、さらにはリフレ政策を日銀に押しつけた政権にそもそも問題があり、日銀審議委員の人事も官邸が行っている以上、このようなことになってしまうのは当然ではあるが、それが日銀の異質さをさらに際立てしまう懸念がある。

 佐藤委員と木内委員の後任は三菱UFJ&コンサルティングの片岡剛士上席主任研究員と三菱東京UFJ銀行の鈴木人司取締役となる。リフレ派である片岡氏はさておき、鈴木氏にはあらためてこの現状をしっかり認識していただき、的確な意見を述べていただきたい。これはほかの政策委員にも希望したい。もしこのまま全員一致で現状維持を続けることになれば、その政策についてますます疑問符が付いてしまうことになりかねないのではなかろうか。

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