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豊洲・築地2市場両立不可能

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©Japan In-depth 編集部

細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(大川聖)

【まとめ】

・豊洲と築地双方に市場機能を持たせるのは無意味。
・卸売市場の存在は、生産者と消費者双方の利益。
・築地市場を使うならいつからか、はっきりさせるべき。

小池都知事が築地市場を豊洲に移転した上で、築地市場を再開発し、市場機能を確保するとの方針を表明した。政治ジャーナリストの細川珠生氏が食品流通の専門家である東京聖栄大学客員教授の藤島廣二氏に話をきいた。

■豊洲と築地2カ所の市場は実現困難

小池都知事が表明した方針について、藤島氏は「豊洲と築地の2カ所でやるのは果たして可能なのかという疑念を強くもった。卸売市場が複数あるのは決して悪いことではない。都内には、中央卸売市場が生活部門9つ、水産部門3つある。お互い競争しているがそれぞれ独自の商圏(集客の範囲)を持っている。

ところが、築地と豊洲はわずか2、3キロの近さ。道路もできる。両方でやる場合独自の商圏を持つことは不可能。とすれば、お互いの競合が激しくなり、いずれかが成り立たなくなる。」と述べ、豊洲築地2カ所に市場機能を持たせるのは難しいとの見方を示した。

■卸売市場の価値

産地直送が増えている現在、食品が市場を経由するのは約5割であるという。その中で卸売市場の存在価値をどう考えるか、と細川氏が問うと、藤島氏は、「卸売市場は、農家・漁師たちが作ったものをいつでも持って行って販売できる」場所であると指摘した。一方契約取引は、「生産量が多いと融通が利かず、逆に少ないとペナルティの対象になる。(卸売市場が存在することで)生産者は安心して生産・漁獲できる。そういう意味で非常に重要な役割を果たしている」と述べ、卸売市場の機能を評価した。

また藤島氏は買い手側にとっての市場の意味を考えるうえで小売業を例に挙げ、「小売業を営む資金があれば、仕入れ先として卸売市場を選ぶことができる。その結果、日本には様々な小売り業者がある。ナショナルスーパーもあればローカルスーパーもある」と述べた。つまり、卸売市場があれば、小売業は大きな資本がなくとも、いつでも仕入れが出来て小売業務を行うことができるのだ。卸売市場が存在することで、日本は小売の寡占化が進まず、自由競争の下、様々な小売店がある、ということだ。

日本の小売業界の寡占率は他国と比較して非常に低い。藤島氏は「日本では上位5社の小売店チェーンのシェアは約30パーセント。しかし、欧米では少なくとも約40%、多いところでは70%。オーストラリアは2つのスーパーマーケットしかないので80%」と述べた。

寡占率が高まってくると、「生産者は安く買われ、消費者は高いものを買わされることにもつながりかねない。」と藤島氏は指摘する。一方、寡占率が低いと、小売は卸売市場から「仕入れることができ、非常に有用な利益になる。」一方で、消費者にとっても、お店、品物を選ぶ、「選択の自由」が担保されると共に、安く買うことができる、と述べた。

卸売市場が生産者、消費者双方にとって、重要な役割を果たしている、と藤島氏は強調した。

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