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猛暑対策グッズが進化 涼感スプレー、チューブ冷却下着など


チューブ内蔵で冷水を循環させるベスト(エイチ・ピー・アイ)

 近畿や関東甲信でも梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番──。だが、7月に入って早くも気温35℃以上の猛暑日になるなど、すでに夏バテ気味という人は多いはず。熱中症で病院に搬送される患者数も増え続けている。

 そんな中、東京ビッグサイトでは熱中症対策商品や冷感設備を集めた『猛暑対策展(7月20日まで)』が開かれている。会場で見つけたクールダウンに効果覿面の“ひんやりグッズ”を紹介しよう。

「日本1億総冷却」を掲げて冷感グッズの数々を展示している大作商事(東京都千代田区)の一押しは、ネッククーラーの『マジクール』だ。

 これは水を含ませたタオルを首に巻くだけで冷却効果が持続するというモノ。近年、雑貨店やドラッグストアなどでも同種の商品は多数売られているが、同社のマジクールがパイオニア。2005年の販売開始以来、累計出荷数は800万本を突破したという。

「他メーカーのネッククーラーの中には、冷感効果の低い中国製を使って撤退していった商品もたくさんあります。当社のマジクールは冷感を最大化するための布と、中に含まれるポリマーも多種多様で超微細のものを使用し、20時間の冷感持続を実現させました」(大作商事コンシューマープロダクト事業部の担当者)


ネッククーラーのパイオニア『マジクール』(大作商事)"

 他に真似されない冷却性能を誇り、いまでは一般家庭での消費のほか、海上自衛隊などの官公庁、大手自動車メーカーや電機メーカー、建設・運輸会社などの仕事場でも多数の納入実績を持つ。

 衣服の上からシュッと吹きかける大容量(500ml)の“涼感スプレー”シリーズで人気なのが、化粧品や家庭用品の製造販売・卸を手掛ける、ときわ商会(東京都墨田区)の『シャツシャワー(税抜1250円)』だ。

 スプレーしてから30分後も服を通じて「ひんやり感」を保つことができるシャツシャワー。昨年発売した「ストロングミント」に至っては1時間の持続効果があるという。さらに、涼感だけでなく、消臭効果もあるエキスを配合しているため、汗の臭いや加齢臭も消臭できる。今年4月にはインパクトのある「スイカの香り」も発売。2011年の発売以来、累計販売本数は130万本を超えた。

 しかし、昨年にテレビ番組で紹介されたことをきっかけにバカ売れし、なんと真夏を待たずして今年分の出荷もすべて完売してしまったそうだ。


涼感スプレーがバカ売れ『シャツシャワー』(ときわ商会)

「テレビ番組での反響の大きさに加え、今年のゴールデンウイークも予想以上に暑くて商品の製造が間に合っていない状況です。ネットオークションでは8000円を超える値段がついていたこともあり、嬉しい反面、お客様のニーズに応えられず申し訳ない気持ちです」(ときわ商会の営業担当者)

 また、今回の展示会でもっとも注目を集めていたのが、衣類自体に冷却機能を施した「保冷ウエア」の数々だ。

 大手繊維メーカーのユニチカ(大阪府大阪市)は、汗を素早く吸収するとともに、ウエア内の不快なムレ感も解消させる放湿性を併せ持つ新素材のインナーやシャツを披露。

「消防やレスキューなど高温の過酷な現場でも着用されています」(ユニチカトレーディング営業担当者)

 ハードメッシュ生地のベストのポケットに、高性能保冷剤を直接挿入して着る『ホレイベスト(税込7500円程度~)』をネット販売しているのは、山梨に会社があるA-MEC。

「食品用の保冷剤は冷たすぎて、すぐ溶けてしまいますが、当社開発の保冷剤は人体に最適な温度を長時間持続させることができます」(担当者)

 ちなみに同ベストは犬用などペット向けも販売されている。


高性能保冷剤を入れて着用する『ホレイベスト』(A-MEC)

『空調風神服(1万円台後半~)』というユニークなネーミングのウエアを販売しているのはサンエス(広島県福山市)。その名の通り、綿やポリエステルでできた長袖ジャンパーの背中下部に小型ファンが取り付けられ、常に衣服内に風を送り込むことができる。

 同社の担当者によれば、ファンの動力源にはリチウムイオンバッテリーが搭載され、最強の風量にしても8時間は回り続けることができる。また、上方気流を発生させる「ななめファン」を独自開発し、より効果的に衣類に空気を巡らせることができるという。

 購入者の多くは建設業ほか現場仕事の多い労働者だというが、「最近は釣りやキャンプといったアウトドア、ガーデニングなど外で趣味を楽しむ方々からの問い合わせも増えています」(担当者)。


小型ファンで服内に風を送る『空調風神服』(サンエス)

 そして、究極の冷却ウエアといえるのが、東京都中央区に本拠を置く老舗繊維メーカー、帝国繊維(東京都中央区)がつくった『冷却下着ベスト型』だ。

 ベストの内部に張り巡らせたチューブに、氷で冷却された水を循環させる仕組み。これにより、暑熱環境化での体温上昇を抑制し、未着用時に比べ6~7℃も服内温度が違うという。まさに水風呂に浸かっているような状態である。

 もともとJAXA(宇宙研究開発機構)が過酷な宇宙空間で体を迅速に冷却するために開発した特殊なベストで、同商品もJAXAとのコラボで生まれた。タンク型、リュック型のポンプユニットを付属する本格的な装置のため、価格も7万2000円~9万8000円と高額。やはり炎天下での作業が欠かせない人のニーズが圧倒的に多いというが、中にはこんな購入者もいる。

「炎天下の墓地で法要を行うお坊さんや、手術中にオペ室の温度をむやみに下げられない医師などが購入していった事例があります」(帝国繊維の営業担当者)

 さらに、冷却ベストの用途は広がりをみせ、レーシングパーツの開発・販売を行うエイチ・ピー・アイ(東京都江戸川区)では、モータースポーツ等でのレース競技やサーキット走行などに活用している。

 高温多湿の猛暑が年を追うごとにひどくなる日本列島の夏。突然の熱中症で取り返しのつかない事態になる前に、これら高性能化した“ひんやりグッズ”を上手に活用するのも手だ。

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