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日野原重明先生が遺した人生後半戦

生涯現役を掲げ、聖路加国際病院の院長を務めていた日野原重明氏がお亡くなりになりました。105歳、現役でした。

氏が100歳に届かない頃、すごい方がいるものだ、と思っていたのですが、その後、日野原さんを知る方から氏のパワーについて教えられたりしているうちに氏のニュースが目に留まるようになり、個人的には近年のファンの一人でありました。

生涯現役という発想が余りにも斬新で75歳から上の元気な方を「新老人」としてさらなる新しい生き方を提示されたのも日野原先生でありました。

氏がなぜ、私のマインドにそれほど引っかかったか、といえば高齢化社会を迎えた今、多くのリタイア層がその長い余生を持て余しているように感じたからであります。私も多くの年長者の方々に支えられてきましたが、定年後もはつらつとしている方はやや少ないように感じます。

今、定年を迎える方々はどちらかといえば終身雇用で頑張ってこられた方が多いのだろうと思いますが、定年を迎えた瞬間、すべての社会人人生が過去の物語に化してしまうところに一抹の不安すら感じたのであります。

大方、リタイアしたばかりの方と接すると現役時代のご自慢や栄華の話はよく聞くのですが、リタイアした今、どうしているのか、あるいは今後どうするのか、という点についてはあまりお伺いすることはありません。特に真面目一筋勤め上げたという方ほどその反動は大きいようです。

男性は歳を取って二度ショックがあるとすれば一度はリタイアした時ともう一度は妻を亡くした時だと思います。両方とも共通して言えるのは「知らぬ間に寄りかかっていた人生」であります。9時から5時まで時間とやることを与えてくれた会社と掃除、洗濯、毎度の食事に子供の教育まで全部面倒見てくれた妻であります。亡くした時にようやくわかるとも言いますが、そこで「これからは自立しなくてはいけない」と認識して立ち上がる勇気がある人は良いのですが、多くはズルズルの人生となっていないでしょうか?

連れ添ったワイフが病院に入院した際に突然、コンビニ弁当人生に転落した方もいます。理由は自分でキッチンに立つことが「観念的にない」からであります。料理を作るという以前の話でキッチンでまな板と包丁を持つことは異次元の世界のハードルとなり、取りも直さず「面倒くさい」ということになるようです。

それでも金がある人は外に出てみようか、とか、昔の仲間と酒を飲もうという希望があるのですが、組織の中で運転手さんのような一人仕事をしてきたような方はそのようなお仲間とまじりあうほど戦友仲間にもならないため寂しい人生を送るケースもあるのでしょう。

ある一流企業を定年された方はお仲間と麻雀や飲み会で定年後も数年は「忙しく」していたのですが、一人、また一人とメンバーがかけていき、いつの間にか、そんな集まりはなくなっていた、と嘆いていました。

だからこそ、新老人生活を営むという気構えが必要だと思うのです。日野原先生はたくさんの著書を残されています。幸いにして著書だけは永遠に残るものです。ぜひとも手に取って新しい希望に満ちたワクワクドキドキするような世界を演じてもらいたいと思います。そういえば、80過ぎにして色恋話になった方もいらっしゃいました。いいじゃないですか。一度の人生だからこそ、思いっきり、生涯現役、恋愛も続けるということで。

日野原先生に合掌。

では今日はこのぐらいで。

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