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「自民党はもう一度族議員を育てていく必要がある」と元農水相


【元農林水産大臣・玉澤徳一郎氏(79)】

「昔はよかった」──そう言いたいのではない。利権や派閥の論理に彩られた「古い自民党」は、国民の猛批判を浴び、下野を余儀なくされたこともあった。しかしそうした「汚さ」の半面、かつて党の中枢を担った議員たちには「政治とはかくあるべし」の矜持があった。彼らは言う。「今の自民党は、もはや国民のために在る政党ではない」──と。党安全保障調査会会長、農林水産大臣を歴任した玉澤徳一郎氏(79)が諫言する。

 * * *
 日本は貿易国家であり、貿易抜きで国は成り立ちません。だから、ただただTPP反対ではなく、農林水産業も競争に耐えうるように質を向上させ、生き延びる方策を考えねばならない。

 私が閣僚だったころ、牛肉の輸入を解禁した際は、関税をかけ、それを資金に子牛の味をよくするための技術開発に向けた。いま38%の関税を取っていて、それで牛肉の質を向上させたので、いまや和食ブームにのって、アメリカへ輸出できるようになった。反対しているだけでは何も生まれません。

 安倍政権の農林水産業の振興策は非常に優れていて、私は高く評価しています。ただ、方針はいいが、各論を担う自民党の個々の政治家の力が落ちていることは痛感します。

 政治家というのは、心身ともに修業して、“政治家になっていく”ものですが、その過程がなくなっている。1~2回生がみな問題とはいわないが、私からいわせれば経験が足りない。いまいった農業問題でも、何十年もやり続けて、ようやく本質が見えてくるのです。

 農林族のような「族議員」は、世間ではイメージが悪いかもしれないが、その専門分野にエネルギーと情熱を注いで勉強し、そのうえで国際交渉に臨む議員のことです。知識だけでなく、度胸も交渉術も必要です。

 私はWTO貿易交渉のとき、EUと組んで、「アメリカは農業に莫大な補助金をつぎ込んでいて自由化でも何でもない。補助金を70%カットすべきだ」と主張し、アメリカの宣言をつぶしたことがあります。

 自民党はもう一度、こうした交渉ができる“族議員”を育てていく必要があると思います。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

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