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中国で太極拳名人が次々失態 「武道ではない」と批判も

【中国の伝統武術・太極拳は武道ではない?】

 今年4月下旬、中国四川省成都市で、中国の10大武道師範の1人である太極拳の名人、雷雷氏が同じ中国人で総合格闘技のコーチをしている徐暁冬氏と対戦し、わずか20秒でノックアウトされ、中国ではネット上で「太極拳は形だけで、健康のための運動だ」などと揶揄されていた。

 これに対して、上海の太極拳名人が徐氏に挑戦状を叩きつけ、6月下旬に試合を行うことで決まったが、試合当日、警察当局が路上に特設された会場に押し寄せ、「試合許可をとっていない」などとして、試合が中止になったことが分かった。実は、敗れるのを恐れた太極拳名人が試合前に警察に連絡を入れていたことが明らかになり、ネット上では「太極拳は武道ではない」などとの批判が渦巻いている。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じたところによると、成都市の試合では審判の「試合開始」の掛け声で、徐氏が両手をボクシングスタイルに構え、雷雷氏は両手の本の指を軽く開き、右手を下段、左手を上段に置くという伝統的な太極拳の優美でリラックスした構えをとった。

 両者はリング上で睨み合いながら、相手の動きをうかがい、リングを1周。徐氏が左ジャブを打ち込むという先制攻撃をしかけた。雷雷氏はこれを避けようと左側に体を移動した際、徐氏の右フックが雷雷氏の顔面にヒット。

 徐氏は雷雷氏の動きが止まったところを見逃さず、左右の連打を集中。雷雷氏はたまらず、ダウン。さらに、徐氏の攻撃は止まらず、倒れた雷雷氏の頭を連打したところで、雷雷氏が身動きできないことで、審判がTKOを宣告。

 この間、わずか20秒という、あっけない幕切れとなった。

 この試合はインターネットの“視頻(動画)”サイトでに配信され、ネット上では「太極拳を始めとする伝統武術はどれも詐欺だ」の書き込みがされ、日ごろから太極拳批判をしていた徐氏の説が同意された形となった。

 これに対して、上海市の無形文化遺産に指定されている太極拳団体「上海鑑泉太極拳社」の著名な太極拳家、馬保国氏が「太極拳の伝統を辱められた」などとして、徐氏と対戦することを宣言。6月下旬に、上海の特設会場で試合が行われることになった。

 ところが、当日、試合会場では警官隊が押し寄せて、「許可」が申請されておらず、試合は違法として中止になってしまった。同紙によると、これは馬氏が知り合いに対して、「警察に電話して、試合が認められているのかどうか確認せよ」と指示。これを受けて、警察が試合中止を決めたという。

 中国の伝統的な武術であり太極拳は、アリババ会長で、億万長者のジャック・マー氏らがスポンサーとしてついており、政府関係者も後援していることから、マー氏の要請もあって、試合に妨害が入るように仕向けられたようだ。最初から試合を行う気はなくて、太極拳側としては、「受けて立つ」というポーズを見せることが重要だったわけだ。

 これに対して、徐氏は「非合法でも、太極拳側と再び試合をして、その模様をネット上では流すようにしたい。今後は邪魔が入らないような、慎重に試合を行いたい」などと語っている。

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