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政党基礎票と都民ファーストの票の考察  都議選が終わって

 都議会議員選挙が終わり、総括や反省会が続いている。武蔵野市選挙区での今回の票数をどのように読むか? と聞かれることが多いので、ざっくりまとめてみた。

 ただし、たんなる数字合わせで実際の投票行動かどうかは分らない。あくまで話のネタとして参考にしていただきたい。

■政党別票の動き

 まず、今回の候補別の票数と得票率(※)を見てみたい(敬称略)。

 (候補者名/党派/票数/得票率)
 鈴木くにかず 都民ファーストの会 27,515 41.99%
 松下玲子 民進党 22,493 34.33%
 島崎よしじ 自由民主党 14,443 22.04%

 次に候補者の個人票ではなく、政党への票としてどの程度の基礎票があったのかを推測してみる。
 直近の平成28年の参議員選挙での武蔵野市における政党別比例票で票数と得票率は下記となっていた(数字は10票代を四捨五入した約数)

 自民党=2万4700票/32%
 民進党(民主)=1万8900票/24%
 共産党=9800票/13%
 公明党=4600票/6%

 衆参選挙や都議選では投票率が違うため比較しにくいの得票率で見ると、自民候補は、22%で参院選での32%の自民票を固めることができていないことが分る。

 さらに自民候補は公明党の支援を今回は受けていなかった。
 公明党の基礎票は、28年の参院選比例票、東京選挙区の公明党候補の武蔵野市での得票、26年の衆院選比例票がほぼ同じであるため約4600票と推計できる。

 今回の自民党候補の票数は1万4400票。投票率が低かった前回の都議選(平成25年)で得た票数、2万2000票から公明投票の4600票を引いた1万7400票を自民党の基礎票と考えられるだろう。
 今回は、この票数に届いていないとなり、3000票が離れたことになる。自民党離れが明らかになっていた。

 前回、2015年の都議選の票数と得票率は下記。

 島崎よしじ 自民 22,261 44.01%
 松下玲子 民主 21,487 42.48%
 小川明弘 共産 5,895 11.65%
 (投票総数50,586 投票率(%)43.98%)

■都民ファーストの票はどこから?

 今回当選した都民ファーストの鈴木候補の票はどこから生まれたのか。公明党以外に既存の団体や組織の支援がなく武蔵野市でも活動実績もないので基礎票は推計しにくい。

 一方で今回の都議選は、注目が集まったこともあり 投票率は54%で前回の44%より上がり、武蔵野市の人口増もあったことから前回よりも投票総数は1万5000票が増えている。

 都民ファースト候補の得た票は、2万7500票。単純に考えてみると、前回をよりも増えた票の1万5000票に加え、自民党から離れた3000票、公明党票4600票を足すと2万2600票になる。

 ここに前回の都議選での民主党と共産党票を合算すると2万7382票となるが、今回の松下候補の票数は2万2493票でその差は4889票だ。約4900票が今回離れ都民ファースト候補に流れたと考え、4900票を加えるとちょうど2万7500票となる。

 投票率があがり増えた票数、自民、民進、共産から離れた票、公明党票が都民ファースト候補の票と考えると分りやすい。

 当然だが、このような単純な投票行動にはなっていないだろうが、政党にあまりこだわらない無党派層、風で動く票が都民ファーストへ流れたともいえる。都民ファーストには、4年後にどのような風があるのか。固定票をつむことができるのかは注目だ。

■民進党のゆくえ

 民進党の松下候補の得票率は34%。コアな民進と共産の票をほぼ固められたと考えられる。いくつかのメディアで行っていた出口調査で、無党派層の半数を得ていたと聞くことから、逆風の民進党から離れた票がある一方で、新たに取り込んだ票も多いとも考えられる。政党人気ではなく、個人票も多かったとは思えるが、民進党候補は健闘したと考えたいが、結果は結果。受止めなくてはならない。

 4年後へ向けての民進党の打開策は見えていないが、候補者の地道な活動に加え、風で大きく左右される都議選であるからこそ、風を作ること。党の立ち位置、振舞い方、情報発信力によるイメージ作りなど民進党を変えることが必要だろう。そのことが、候補者や選対メンバー、支援者の努力に報いることになる。

 7月13日の朝日新聞社説に「民進党 勘違いしていませんか」があり、『野党第1党の民進党が、政権の受け皿として認知されていない』。それは『政党にとって何よりも大事な政策の軸が、定まらないことが大きい。象徴的なのは原発政策だ。なし崩しの原発回帰を進める安倍政権に対し、民進党が脱原発依存の旗を高く掲げれば、鮮明な対立軸を示せるはずだ』と指摘されていた。

 まさにそのとおり。ここに再生のキーワードがある。

 以上、単純な票数で考えられる推計。


※得票率=投票総数の何割の票を得たかを示す

 票数などは武蔵野市選挙管理委員会の選挙のデータ集より

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