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【佐藤優の眼光紙背】日本国家と日本人の生き残りは国民の団結にかかっている。

 16日未明から福島第一原発4号機をめぐり危機的状況が生じている。国家の総力をあげてこの危機を乗り切らなくてはならない。

 現場では命を捨てて東京電力の原子力専門家、自衛隊員が危機の回避につとめている。日本人同胞と日本国家のために文字通り命を賭して働いている人に心の底から感謝する。日本人にはこのような、静かだが強い愛国心がある。われわれのこころの中に眠っている愛国心を引き出し、団結して国難に対処しよう。

 政府は、必要ならば米軍の協力を躊躇なく求め、4号機の事態を収めて欲しい。「法的根拠がどうなるか。米軍の協力によってどの程度の効果があるか」などの官僚的な議論はいま必要ない。米国にはスリーマイル島原発事故の経験が蓄積されている。また原子力艦船の事故に対応する技術もあるはずだ。すべての可能性を菅直人首相の政治決断によって試して欲しい。

 ロシアのキリエンコ原子力大臣(元首相)は親日家である。チェルノブィリ原発事故に対処するノウハウをロシアはもっている。日本の国家存亡がかかる事態であり、ロシアも福島第一原発がロシアの極東部に及ぶことを懸念している。自分の問題でもあるので、ロシアは日本に本気で協力する。

 米国とロシアのノウハウも借りながら危機を乗り切る努力をしてほしい。

 政治家の危機意識が、与野党ともにまだ不十分だ。具体的提案がある。鳩山由紀夫氏、麻生太郎氏、福田康夫氏、安倍晋三氏、小泉純一郎氏、森喜朗氏、村山富市氏、細川護煕氏、羽田孜氏、海部俊樹氏、中曽根康弘氏が一同に集まり、国家の危機にあたり日本国民に団結と、国際社会に理解と協力を呼びかけて欲しい。国際的に、党派を問わず最高首脳経験者が発するアピールには特別の重みがある。 国民1人1人に求められるのは、日本人の底力に対する自身と信頼を再確認することだ。日本人は、ふだんは国家や民族を意識しなくとも、危機に直面すると、強い同胞意識と静かな愛国心が燃える。だから事態に冷静に対処できる。(2011年3月16日脱稿)

■プロフィール
佐藤優(さとう・まさる)…1960年、東京都生まれ。作家・元外交官。日本の政治・外交問題について、講演・著作活動を通じ、幅広く提言を行っている。
近著に「3.11 クライシス!」など。

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