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『個性なき日本』

伊藤忠商事株式会社の代表取締役社長・岡藤正広さんは、あるインタビュー記事で「日本のビジネスマンのファッションをどうご覧になりますか」との質問に対し、「例えば、イタリアではみんなおしゃれな服を着ている。靴もね、黒だけではなくて、茶色やコーディネートに合わせておしゃれなものを選んでいる。悪いけど、街を歩く日本のビジネスマンを見ても、着るものに関心を持っているようには思えないんだよね」と答えられていたようです。

では、私の意見はと言うと、「日本人だから○○」「外国人だから○○」というようなステレオタイプで割り切れる問題では必ずしもないと思います。尤も、日本人の特徴の一つでないかと思われるのは、「周りが○○だから」「あの人も○○だから」といった強い横並び意識であり、一時の流行の類を追い易いという面かもしれません。例えば、「クールビズ(COOLBIZ)」だと言われれば、その会議だけ急に皆がネクタイを外し、また締め直して別の会議に出るようなことがあります。

他方、欧米人の特徴として顕著だと思われるのは、一つにTPO(…時:time、所:place、場合:occasion)をきちっと弁えているということです。例えば、私が英国ケンブリッジ大学に留学していた時分、しばしば「ブラックタイ(black tie)」と書かれている学生主催のパーティーの招待カードを手にしたものです。

するとそこにはタキシードを着て行かなければならないわけで、昔から「英国紳士」と言われますが若い時から彼らはTPOを大事にしています。そして他方で、欧米人が普段は何を重視するかと言いますと、洋服に限らず何事にもそうですが、個性というものであります。彼らは流行り廃りに振り回されるのでなく、自分を知り、自分が気に入ったものを身に付けているように思います。

先月6日、脳科学者の茂木健一郎さんのツイートに「今日の夜、東京のある駅の近くを歩いていたら、全く同じようなリクルートスーツをきた学生の集団が数十人、騒ぎながら通り過ぎていた。画一性。没個性。この国は、本当に終わっているんだなあ、と思った。経団連のお墨付き」というのがありました。

唯唯画一的に勉強させる教育システムは言うに及ばず、個性なき日本をつくり出すあらゆる社会経済システムは転換されるべきでしょう。本来人間には夫々個性があり皆違った顔で生まれてきているように、ものの考え方あるいは感性等々その全てが異なっていて然るべきでしょう。我国に一人一人の個性を伸ばすような風土を醸成し、全てに多様性のある社会の実現を目指し不断に変革し続けて行かねばなりません。

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