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キノコ菌とゴミで仮設兵舎が建つか!?

DIYがDo It Yourselfってことはどなたでもご存知でしょう。

ではGIYは?私には初耳でした。それを紹介する記事を読んでみると、「G」は育てるという意味の「Grow」でした。

では、何を育てるのか。それはキノコの「菌糸体」だそう。キノコ類は菌糸体の塊みたいなもんですから、そのまま育てればキノコになっちゃいそうですが、そこに手を加えると、包装材から小さな家具、ランプシェード、果てはドレスまで、なんでも作れちゃうんだそう。例えばこれ。キノコにならなかったシェード付き卓上ランプです。後ろのキャットタワーみたいな「Vertical Garden」もそう。

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そのパイオニア的存在の「Ecovative(発音は「エコベイティブ」)デザイン社」が、「地球に優しい完全循環型(最後は土に還るということです)」道具の意義を広めようと家庭や学校向けに安価な実験キットを売り出したり、先月末には国防高等研究計画局(DARPA)と910万ドルの契約を結ぶなどの動きをあり、大ブレークの兆しを見せています。

Ecovativeのサイトにある「Our History」によると、2006年、ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学で出会ったEben BayerとGavin Mclntyreという二人の若者が菌糸体から絶縁体を発明する為にチームを組んだのがはじまりだそう。(右がBayer、左がMclntyre)

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担当教授に起業化を勧められ、卒業後、まずはコンペに出した壊れ物用の保護包装製品で賞をとったり、寄金を受けたりして2009年には大学に近いグリーンアイランドに小さな工場を作り、デルコンピュータなどに出荷し始めたとあります。

その後も大手企業や政府機関から資金を得て、本格的な工場を作り今日に至っていて、同社のサイト内ショップには、保護包装材の他、デザイン商品が並んでいます。早くからEcovativeに着目した女性デザイナーの作品はとても素敵です。

また、このインテリアのページには同社の登録マーク付きの製品として、壁材、椅子、大型のシェードなど、キノコの元が材料とは思えない製品が紹介されています。

また、オランダのテキスタイルデザイナーが作ったというドレスはこれです。着なくなったらタンスの肥やしじゃなく、本当の堆肥に出来ます。

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ここまで来ると、一体どうして作るのかを知りたくなります。上で紹介した女性デザイナーのシェード作りのを紹介するビデオはこれ。


植物の食べられない部分を細かくしたものに菌糸体を混ぜて整形しているようですが、手順がいまいちです。

そこを説明するのがEcovativeのEducation Centerや、より具体的な学校向けページGrow-It-Yourself for Classroomsです。

特に後者では、手順が絵解きで解説されていて分かりやすい。麦わらや小麦粉などと特許を取っているというEcovative特製の菌糸体をよく混ぜ合わせて型に入れ、何日間か放置して乾燥させると出来上がるよう。オーブンを使って焼くと早いようです。

このように、あまり手をかけないで出来上がることに、インターネットの原型作りに資金提供したことで知られるDARPAが着目しました。1年前にスタートした  Engineered Living Materials (ELM) programにEcovativeの技術が活かせるのではないかということのようです。

早い話が、紛争地帯に到着した軍隊が、鉄骨や木材など特段の材料なしにキノコ菌とその場にあるゴミなどで仮設の兵舎などがその場で建てられれば便利、ということのようです。うまくいけば、災害現場に出動した自衛隊の救援基地作りにも活用できそうです。

Ecovativeのニュースリリースによると、4年間に及ぶ研究にはコロンビア大学、ニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学の専門家も参加するそうです。

話は大きくなりましたが、共同創業者の一人、マッキンタイア(McIntyre)氏の主張を最後に紹介します。Digital Trendsの記事からの要約です。

「私たちの狙いはプラスチック製品とは異なり、自然のリサイクルシステムに適合する材料を作り出すことでした。それがキノコだった。キノコと菌類は自然のリサイクル業者です。それを使うことで地域のゴミを価値の高い製品に作り変えられる。その寿命が尽きたら地球におとなしく戻る。そう、地球のために特にいいことをしなくっても、そいつはクールじゃないか!」

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