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与党病の公明党と現実味ない野党病の共産党で醜悪バトル


【公明党の山口那津男代表(写真:時事通信フォト)】

 都議選の告示目前の6月21日、公明党広報の公式ツイッターがこんな投稿で日本共産党に“宣戦布告”した。

〈3つのKでわかる 共産党ってどんな党?
汚い! 実績横取りのハイエナ政党
危険! オウムと同じ公安の調査対象
北朝鮮! 「危険ない」と的外れな発言〉

 これについて、共産党側は党の広報用ツイッターでの〈3Kでわかる共産党(公式版)〉と題した投稿で反撃に出た。共産党の真の3Kは、〈キレイ!〉〈キレキレ!〉〈クナンケイゲン!(国民の苦難軽減が党をつくった原点)〉とやり返した。

 両党の対立の歴史は古く、公明党結党(1964年)の頃まで遡る。1974年に共産党の宮本顕治委員長(当時)と創価学会の池田大作会長(当時)がトップ対談を行ない、相互理解や敵視政策の撤廃などを謳った創共協定を結んだが、公明党は創価学会が頭越しに協定を結んだことに反発し、死文化した。1980年には創価学会が宮本委員長の私邸を盗聴していたという事実が発覚し、対立は前以上に深まった。

 今回の中傷合戦には両党の党首も参戦した。共産党の志位和夫委員長は6月23日の街頭演説で、「品のないことをいっているが、公明党は共謀罪法という民主主義を壊す最も凶暴な悪法を通した」「人の悪口を言う前に自ら胸に手を当て反省することが先」と当てこすり、対する公明党の山口那津男代表は6月26日の街頭演説で、「ウソを平気で言える共産党の体質は本当に困ったもの」と批判を繰り返し、支持者の喝采を浴びた。

◆「やり方がきたない」

 対立激化の理由を宗教学者の島田裕巳氏はこうみる。

「両党の仲が悪いのは、どちらも、いわゆる低所得層の労働者を取り込んで発展してきた競合関係だからです。とはいえ都議選での公明党の攻撃は激しかった。公明党の草創期に共産党と戦った“かつての若手”が、定年を迎えて創価学会壮年部に帰ってきたことが影響しているのではないか」

 今回の騒動に関して公明党広報部は、「共産党のやり方が『きたない』ことを理解したという声が寄せられている」と胸を張った。

 一方の共産党広報部は3Kツイートについて、「ヘイトスピーチと同列視されるようなツイート」とバッサリ。さらに「国民の批判を無視する政党は、厳しい審判が下されるだろう」と、投開票日前に結果を“預言”までしてみせた。元共産党参院議員の筆坂秀世氏は、公明党の“かつてない危機感”を指摘する。

「昔から選挙で公明党の旗色が悪くなるほど、攻撃が激しくなるという傾向はあった。自公連立を解消し、小池都知事との連携に動いたが、それが支持率上昇につながらず焦っていたのではないか。共産党は過敏に反応しすぎですよ。放っておけばいいのに」

 都民ファーストも自民も単独過半数には届かない以上、「第3党」を競う両党に求められる役割は大きいはずだが、公明党は勝ちそうなほうにすり寄る“与党病”、共産党は政策に現実味のない“野党病”だ。その上、有権者そっちのけの醜悪バトル。政治の劣化を示したのは、都民ファーストや自民だけではなかった。

※週刊ポスト2017年7月14日号

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