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災害時などにおいて緊急医薬品をLTEネットワークを使ってドローンで搬送!仙台市とNTTドコモが共同開催した実証実験を紹介【レポート】



NTTドコモのLTE網で自動制御&カメラ映像伝送を行なうドローンを活用し、緊急医薬品を搬送!

既報通り、仙台市とNTTドコモでは「仙台市及びNTTドコモによるICTを活用したまちづくりに関する連携協定」を2016年8月に提携しています。

この取り組みの一環として2017年6月29日(木)に仙台市・仙台環境開発スポーツパーク宮城広瀬にて「ドローンを活用した緊急医薬品搬送の実証実験」が実施されました。

当日実際にその模様を取材してきたので、今回はこの実証実験の内容をレポートしていきます。

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実証実験の会場、仙台環境開発スポーツパーク宮城広瀬


前述の連携協定締結後において、仙台市とNTTドコモ共同での実証実験を行なうのは今回が3回目。1回目は2016年11月、2回目は2017年2月でした(2回目の実証実験の様子はこちら)。

仙台市は国家戦略特区に指定されており、災害発生時の被災状況確認、生活インフラの点検などにドローンでの映像撮影を活用することを積極的に検討しています。

その取り組みのひとつとして公開されたのが、仙台市およびNTTドコモ、そして医療法人財団明理会 西仙台病院(以下、西仙台病院)、宮城県医薬品卸組合、バイタルネットの協力の元に行われた今回の実証実験。

被災時における交通網の寸断および橋梁(きょうりょう)の崩落等により、陸路での緊急医薬品の搬送が不可能となった場面を想定。仙台市からの依頼で西仙台病院へ向けて医薬品を運搬していた車両からドローンへ医薬品を積み替え。以降は空路での医薬品搬送を目指します。

実証実験の会場となった仙台環境開発スポーツパーク宮城広瀬から、医薬品搬送先となる西仙台病院までの直線距離は約200m。ドローンでの飛行であれば片道2~3分で移動できる距離です。

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実験に使われたドローン


実験に使用されたのは6枚羽を備える大型のドローン。LTE通信を飛行制御に使用する想定であれば、最大10kmほどの飛行が可能とします。

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搬送中の周囲確認や医薬品受け渡し時の本人確認などに使用するカメラ


ドローンには移動中の映像撮影、医薬品受け渡し時の本人確認等に用いるカメラを搭載。このカメラで撮影された映像も、ドローン搭載のエンコーダーを経由してNTTドコモのLTEネットワークにて伝送されます。

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医薬品搬送ボックスはNFC機能対応のカギで施錠


また医薬品は専用の搬送ボックスに入れた状態で積載。搬送ボックスはNFCによる非接触認証に対応した南京錠で施錠。

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あらかじめペアリングしたスマホにて、専用アプリを使って解錠


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専用アプリの画面


受け取りの際、南京錠を外すためには専用アプリをインストールしたスマホでの操作が必要となります。

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ボックス内には医薬品のほか、搬送中の温度を記録する温度ロガーも搭載


搬送ボックス内には、搬送中の医薬品の温度変化を記録する温度ロガーも。受け渡しの際には、医薬品の品質に問題がないかも含め、確認が行われます。

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ドローンの自動制御およびカメラ映像の伝送に用いるスマホ


なお、今回の実証実験においてもっとも難しい課題として設定されたのが「LTE通信を用いたドローン飛行の自動制御」。第2回目の実証実験の際にはカメラで撮影した映像の伝送にのみLTEネットワークを使用。ドローン飛行の自動制御にはWi-Fiが用いられていました。

それを今回の実験では、ドローン飛行の自動制御およびカメラ映像の伝送の両方にNTTドコモのLTEネットワークを使用。これらの通信にはドローンの脚に装着されたスマホを用います。

ちなみにドローンの制御と映像伝送両方にNTTドコモのLTEネットワークを用いるのは、仙台では今回の実証実験が初めてです。

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実験開始直前の空。雨や強い風もなく、実験環境としてはよい気候であった


恵まれた天候の中、いよいよ実証実験がスタート。

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病院とのやりとりを行なうスタッフとその横の車両内に控えるドローン


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陸路での搬送ができないとの想定で、車両から医薬品を積載したドローンが登場


陸路が寸断されたことを受け、ドローンが登場。今回は予め医薬品が積載された状態で準備されました。

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ドローンが離陸


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あっという間に高度を上げ、西仙台病院を目指して飛んでいった


周囲の安全を確認した後、指示を受けドローンが離陸。積載している医薬品の影響も感じさせず、安定したホバリングの後、西仙台病院のある方角へと飛んでいきます。

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ドローン搭載カメラの映像は会場テント内のモニターで確認


以降の様子は会場に設営されたテント内のモニターに表示。無事西仙台病院への到着。

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着陸後、薬剤師がカメラに向けて自分の顔および身分証を映しこむ


ドローンの着陸を確認した後、受け渡し担当となる現地の薬剤師がドローンのカメラに向けて自身の顔および身分証明書を提示し、本人確認を実施。この後、専用アプリをインストールしたスマホを用いての南京錠の解錠、温度ロガーでの搬送時の医薬品管理温度の確認、タブレットを用いた電子署名と手順はかなりスムーズに進んでいきました。

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電子署名がされたことを確認。この後すぐにドローンに帰還指示が


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ドローン(写真中央の小さな黒い影)が帰還。往復にかかった時間は10数分


無事医薬品の受け渡しが済んだ後はドローンに帰還指示が。往復の飛行時間および西仙台病院での医薬品受け渡しも含め、1回の搬送に要したトータルの時間は10数分ほど。

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ドローンが無事着陸。会場では自然と拍手が沸き起こった


実は今回の実証実験、もともと実施予定となっていたのは2017年6月12日。この際には離陸前のドローン側での不具合により、飛行前に実験が中止に。実証実験自体の試みは2回目でした。

そのため、医薬品を搬送し終えたドローンが無事帰還・着陸したことを確認すると、会場では自然と拍手が沸き起こりました。

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仙台副市長の伊藤敬幹氏


実験が無事成功したことを受け「緊急医薬品輸送として大変有用な実験結果を得られた」と語ったのは仙台副市長の伊藤氏。これまで行ってきた2回の実証実験も踏まえ、今後の取り組みについて「東日本大震災の経験を踏まえて、全国、そして世界へと発信できる形に育て上げていきたい」と話しました。

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NTTドコモ東北支社長の藤原道朗氏


また同じく実験の様子を見守ったNTTドコモ東北支社長の藤原氏は「(実験が無事成功して)とりあえずホッとしている」と、コメントとともにまず安堵の表情を見せていました。

仙台では初のこころみとなった、ドローン飛行の自動制御とカメラ映像伝送の両方にドコモLTEネットワークを用いることについても、実験自体がLTEネットワークに目立った影響を及ぼさないことも含め「運用できることは確認できた」とのこと。

なお今後どのくらい先を見据えて実用に持っていくのか?という質問に対しては、ドローンに関する技術提供を行なうブイキューブロボティクス・ジャパン株式会社では「1~2年ほどで専門家がいない状況においても使える、使いやすい形にもっていきたい」と。一方NTTドコモとしては「2020年の東京五輪をひとつの目安として、環境を整えていきたい」といったコメントがありました。

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今後もさらなる課題の解決、そして実運用へ期待


これまで第1回目を海で、第2回目を山で行ってきた仙台市とNTTドコモによるドローン実証実験。都市部にも近く、周囲に一般の住宅もある環境にて行われた第3回目の実験では、日にちを変えてのリトライこそあったものの、ドローン離陸~医薬品受け渡し~ドローン帰還の流れは非常にスムーズにできていることをこの目で無事確認。

連続飛行(往復)もドローンやスマホのバッテリーを交換するだけで基本的には実現できるといった話もあり、筆者個人的にも、非常時における活躍をより具体的にイメージすることができました。

今後はより多様なシチュエーションを想定し、さらなる取り組みを進めていくとする仙台市とNTTドコモ。取り組みのさらなる進展、そして実用に至るまで、引き続き注目して追っていくことにします。



記事執筆:そうすけ


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