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海老蔵のディズニー行きは本当に炎上?ネットに見る「叩き仕草」と架空の炎上 - 網尾歩 (ライター)

  市川海老蔵さんのディズニー行きが炎上したのか。ディズニー行きを「非難した人」が炎上したのか。そもそも非難した人はどれほどいたのか。

愛する人を亡くした後、ブログを更新する意味は?

 最愛の妻、小林麻央さんを亡くした市川海老蔵さん。その後も子どもたちの様子や、妻への愛、舞台に挑む姿をブログに更新し続けている。先日帰宅ラッシュの電車内で、前に立っていた女性がスマホで海老蔵さんのブログを開いていた。夫婦2人合わせてのブログ読者数が350万人以上とも言われるそのブログの更新を待っている人は確かに多いのだろう。

 有名人のブログには、「マナー警察」「礼儀ポリス」と言ってもいいようなコメントが寄せられることが多い。「マナー」と言えば聞こえがいいが、実際は勝手な“常識”の押し付けである。ママタレントたちの弁当写真にいちいちツッコミを入れる人たちが良い例だ。

 麻央さんの訃報後、あのヤフコメでさえ海老蔵さん一家に同情的だった。幼い子を残して母が逝くというこれ以上ない悲劇の前に、ネットにつきものの皮肉や中傷は鳴りを潜めた。しかしその一方で、「マナー警察」は存在したようだ。

 6月末に更新したインスタグラムで、海老蔵さんは「更新しすぎという意見もあるとか。確かにその通りです」「ごめんなさい。御理解してくださいとは言いません。居ても立っても居られないとき、私の一つの支えになっています」と綴っている。変わらずにブログの更新を続けていることに疑問の声があったことを伺わせる。

 有名人がブログを書くことは、一種のパフォーマンスと思われがちな面がある。また、一般人であったとしても、遊びや趣味のひとつと見なされがちなブログを書くことは、家族の不幸の直後で「不謹慎」と見なされがちなのかもしれない。

 しかしそれはやはり、“常識”の押し付けというものだろう。人が支えとするものに、誰がケチをつけられるというのか。ブログの更新を支えとするのは、若い世代に限った話でもない。2009年、結婚したばかりだった長女を肺がんで亡くしたタレントのキャシー中島さんは、直後に3日間ブログを休むことを告げたが、翌日には更新を行った。海老蔵さん同様にブログを「心の支え」と綴り、「あまりにも心が空洞でなにでそこを埋めていいかわかりません」と書いた。

 家族を亡くした後に、ブログを更新し続けるのはなぜか。ブログ読者との交流に癒されることも理由だろうが、愛する人を亡くした人にとって、思いを吐き出す行為は、それ自体が大きな意味を持つのだろう。悲しいと書き、故人の思い出を綴ること。それは亡き人、そして自分と対話する時間なのだろう。

「実在しないか、もしくは実在してもごく少数の意見」に対する怒り

 さらにツイッター上で話題となったのは、「ディズニー目撃説」。海老蔵さんが2人の子どもを連れてディズニーランドを訪れた様子を目撃したという投稿があり、一部で「不謹慎」の声が上がった。そして、これに対して怒りをあらわにする人が続出した。「叩く方がどうかしてる」「いつなら不謹慎じゃないの?」といったツイートが多く拡散されている。

 海老蔵さんは麻央さんの闘病中から、たびたび子どもを連れてディズニーランドを訪れる様子を投稿していた。年間パスポートを持っているらしく、忙しい中、午前中など数時間だけ遊んだと思しき投稿もあった。特別な場所というより、よく訪れるお馴染みの場所なのだろう。

 一方で、この「炎上」に関しては、次のようなツイートもかなり拡散されている。

 「『海老蔵がディズニー行ってて不謹慎とか言ってる奴がいるけど、じゃあ何時なら不謹慎じゃないんだ!』みたいなのがTLに流れてきたので海老蔵ディズニーを不謹慎と叩いてる人がいるのか検索したら1人も見つからんかった。」(「みんないったい何と戦っているんだ……」というイラスト付き)

 目撃情報が書き込まれたネット上の掲示板では「喪が明けないうちから…」などの意見があったようだが、ツイッター上ではこういった意見は確かに少ない。むしろ、引用したツイートのように不謹慎と言った人を非難するコメントの方が圧倒的に多いと感じる。

 この件に限らないが、ツイッター上ではしばしば、「実在しないか、もしくは実在してもごく少数の意見」に対して怒りを表明する様が見受けられる。そしてその怒りの表明は多くの共感とともに拡散され、拡散数が増えるほど、さも批判する対象が巨大であるかのように見える。「こんな意見があった!」と過剰に言い立てることは、デマにも似ている。

 そういえば麻央さんの訃報に関しては、実在の弁護士に対する嫌がらせ目的の「なりすましツイート」が拡散され、そのデマに騙された人が多かった。

 ブログ更新やディズニー行きを非難する人、非難する人を咎める人、なりすましツイートに騙される人、デマに怒る人……。悲しみや怒りが飛び交っている。それもこれも無情な運命を目の当たりにし、多くの人が感情の行き場をなくしているための混乱と見るのは、甘い結論だろうか。

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